浜松から江尻までの2日間のできごとやケンペルが見たものを東海道53次の宿場の順に要約して記していきます。
3月8日 〔29〕浜松 → 〔23〕島田 50Km
この日は、浜松から島田まで、天竜川や大井川などの大きな川があるが、大井川では、川止めにもあわず無事越えている。
〔28〕 見附
①浜松出発が大通詞が不快のため少し遅れた。
②天竜川は2筋に分かれていて、最初の流れは馬で、次の流れは川舟で越えた。
③見附は500戸の家がある。
〔27〕袋井 昼食
〔26〕 掛川
①北側に城があり、高くそびえた天守閣がある。
②通り過ぎるときに、一行を見物していた家から火事が起こり、急いで逃れた。帰りにみると、町の半分の200戸の家が焼ける大火事であった。
〔25〕 日坂 ここで、馬から駕籠に乗り換えて山岳地帯を越えた。
〔24〕金谷
①ここからまた馬。
②長い間雨が降らなかったため、両岸を川の水は満たさず、4筋に分かれて流れていた。
③大井川の川越料金は深さや水位によって決められていて、岸近くの水中から突出している柱の目盛で深さを測って決める。
④馬の膝の上に達するぐらいだったが、馬1匹に5人の川越人足が付いた。越えるのに半時間かかった。
〔23〕島田 宿泊 原川(袋井と掛川の間)から島田まではほとんど不毛の山地であった。
3月9日 〔23〕島田 → 〔18〕江尻 41Km
〔22〕 藤枝
①藤枝川は両岸を洗うほどには流れていなかった。
②右手の街道から半時間のところに田中城がある。
〔21〕 岡部 特に記載なし
〔20〕鞠子 昼食をとる。
〔19〕 府中
①江戸と京都おなじように小判を鋳造している。
②駿府城の天守閣は数年前に焼けている。
③この城の城主(忠長)が追放され切腹している。
④この土地の承認は礼儀正しく教育が行き届いているようだ。
駿府は城代もいる重要な都市であるが、特に接待もない。また、ここで宿泊をしていないのは意外でした。
〔18〕江尻
①巴川が流れていて、有名な江尻材を川から海に流して日本中に送り出している。
②遠くない港に幕府の戦船停泊しており万一の場合にはここを守るのに役立つだろう。
この日のまとめで、伊勢参りの巡礼者について、もことに素朴さを失わぬ独特の信仰心で神はこれを憐れんで下さるに違いないといっている。