人気ブログランキング | 話題のタグを見る
すしの語源 (すし① 江戸の食文化51)
  しばらく、「江戸の食文化」関係の記事を書いていませんでしたので、今日から、すしのお話をしていきます。

 すしは、今や世界のSUSHIと呼ばれ、四大和食の一つ「すし」に数えられますが、江戸時代に、急速に発展しました。
 「江戸の食文化」では、必須項目ですので、よく勉強する必要があると思います。

すしの語源 (すし① 江戸の食文化51)_c0187004_815193.jpg 「すし」について、江戸検参考図書「江戸の食文化」(原田信男編)には4ページしか書かれていません。
 より詳しく学ぶには、次の2冊がよいと思います。
 日比野光敏著「すしの歴史を訪ねる」(岩波新書)
 篠田統「すしの話」(岩波現代文庫) 

 もし、時間がなければ、日比野光敏著「すしの歴史を訪ねる」(岩波新書)を読まれることをお勧めします。
 新書ですので短時間でも読むことができます。

 今回の記事は、上記2冊を参考に書いていきます。

 まず第一回は、すしの漢字と語源についてです

鮨・鮓・寿司  どれが「すし」!  
 「すし」を表す漢字はには『鮨・鮓・寿司』があります。

 そのうち、 「鮨」と 「鮓」はもともと二千年以上も前からあった中国の漢字です。
 「鮨」と「鮓」は、本来、違った食べ物を示す漢字でした。
 
  「鮨」 は魚を塩漬けした食品、すなわち塩からでした。
 一方、 「鮓」 は魚を塩と米に漬けて熟したものと定義されていました。
すしの語源 (すし① 江戸の食文化51)_c0187004_1332224.jpg  ところが時代が下り、三世紀に編纂された中国の辞書「広雅」の中で「鮨」と「鮓」は混同されてしまいます。
 
 その後、日本に伝わったとき、両者は既に同なじ意味を表わす漢字として扱われていました。
 中国で混同されたものが、そのまま日本でも混同されて使われたのです。
 平安時代の法令解釈書「令義解」では「鮨は鮓のこと」と書かれているようです。

 以上から、「すし」の本来の漢字は『鮨・鮓』ということになります。
 それでは、最もよく使われる「寿司」 という漢字ははどうかと言いますと、「寿(ことぶき)を司る(つかさどる)」ということで、縁起がいいものとして、江戸時代に考案された当て字だそうです。

 「すし」という言葉の語源は、大槻文彦の「大言海」には、「すしは酸(す)しの義」と書いてあります。
 また、「酸し」は「スッパシ、酸味あり」と書いてあります。
 つまり、「すし」と言う言葉は、まさに「酸っぱい食べ物」ということからきているようです。
 この説は、貝原益軒や新井白石も唱えている一般的な「すし」の語源説です。

 すしは、原田先生の「江戸の食文化」によれば、 「なれずし」 、「なまなれ」、「早ずし」、「握りずし」というように発展してきたようです。
 そこで、それぞれの段階のすしについて説明するとともに代表的なすしについて、次回から紹介していきます。
by wheatbaku | 2014-06-24 08:11 | 江戸の食文化

江戸や江戸検定について気ままに綴るブログ    (絵は広重の「隅田川水神の森真崎」)
by 夢見る獏(バク)
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
以前の記事
2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
2023年 12月
2023年 11月
2023年 10月
2023年 09月
2023年 08月
2023年 07月
2023年 06月
2023年 05月
2023年 04月
2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
ブログパーツ
ブログジャンル
歴史
日々の出来事