すしは、今や世界のSUSHIと呼ばれ、四大和食の一つ「すし」に数えられますが、江戸時代に、急速に発展しました。
「江戸の食文化」では、必須項目ですので、よく勉強する必要があると思います。
「すし」について、江戸検参考図書「江戸の食文化」(原田信男編)には4ページしか書かれていません。
より詳しく学ぶには、次の2冊がよいと思います。
日比野光敏著「すしの歴史を訪ねる」(岩波新書)
篠田統「すしの話」(岩波現代文庫)
もし、時間がなければ、日比野光敏著「すしの歴史を訪ねる」(岩波新書)を読まれることをお勧めします。
新書ですので短時間でも読むことができます。
今回の記事は、上記2冊を参考に書いていきます。
まず第一回は、すしの漢字と語源についてです
鮨・鮓・寿司 どれが「すし」!
「すし」を表す漢字はには『鮨・鮓・寿司』があります。
そのうち、 「鮨」と 「鮓」はもともと二千年以上も前からあった中国の漢字です。
「鮨」と「鮓」は、本来、違った食べ物を示す漢字でした。
「鮨」 は魚を塩漬けした食品、すなわち塩からでした。
一方、 「鮓」 は魚を塩と米に漬けて熟したものと定義されていました。
ところが時代が下り、三世紀に編纂された中国の辞書「広雅」の中で「鮨」と「鮓」は混同されてしまいます。
その後、日本に伝わったとき、両者は既に同なじ意味を表わす漢字として扱われていました。
中国で混同されたものが、そのまま日本でも混同されて使われたのです。
平安時代の法令解釈書「令義解」では「鮨は鮓のこと」と書かれているようです。
以上から、「すし」の本来の漢字は『鮨・鮓』ということになります。
それでは、最もよく使われる「寿司」 という漢字ははどうかと言いますと、「寿(ことぶき)を司る(つかさどる)」ということで、縁起がいいものとして、江戸時代に考案された当て字だそうです。
「すし」という言葉の語源は、大槻文彦の「大言海」には、「すしは酸(す)しの義」と書いてあります。
また、「酸し」は「スッパシ、酸味あり」と書いてあります。
つまり、「すし」と言う言葉は、まさに「酸っぱい食べ物」ということからきているようです。
この説は、貝原益軒や新井白石も唱えている一般的な「すし」の語源説です。
すしは、原田先生の「江戸の食文化」によれば、 「なれずし」 、「なまなれ」、「早ずし」、「握りずし」というように発展してきたようです。
そこで、それぞれの段階のすしについて説明するとともに代表的なすしについて、次回から紹介していきます。