桃井春蔵 (幕末の剣豪 江戸検定今年のお題「幕末」)
今日は、江戸三大道場の最後に、鏡新明智流「士学館」の桃井春蔵について書きます。

【春蔵は4人いる】 
 三大道場の中で、最も早く開設されたのは、桃井春蔵の「士学館」でした。 
 桃井春蔵というのは、鏡新明智流の初代から4代まで4人います。
 鏡新明智流は初代桃井春蔵直由(なおよし)が創始した流派です。初め鏡心明智流と書いたそうです。
 直由は大和郡山藩柳沢家の臣でしたが、浪人となり諸国をまわり、戸田流居合術、一刀流、柳生流、堀内流の4流を修め、戸田流の秘太刀を基本に、槍術山本無辺流の長所を加えて一流を編み出したといいます。
 安永2年(1773)江戸へ出て、日本橋南茅場町に道場「士学館」を開きました。
c0187004_1775520.jpg  そして、芝神明社への掲額事件で評判をとりました。
 2代目春蔵は、初代の門人で養子となった春蔵直一(なおかず)で、直一が寛政年間に「士学館」を築地蜊(あさり)河岸に移しました。
 3代春蔵直雄(なおかつ)は2代目直一の実子です。3代目の時代には、道場もますます盛況を示しました。
 
【4代目春蔵が有名】 
 そして、4代目春蔵が「位は桃井。技は千葉。力は斎藤」と評された直正です。
 4代目春蔵直正は、駿河沼津藩士・田中十左衛門の次男として生まれました。
 天保9年(1838)、江戸に出て3代目桃井春蔵直雄に入門し、鏡新明智流を学びました。
 直正は剣術の才能を師匠に見込まれ、天保12年(1841)、17歳で養子となりました。
 嘉永元年(1848)には免許皆伝の腕を持つようになり、25歳で4代目桃井春蔵を襲名しました。
 文久元年(1861)に、は講武所の教授方に登用されています。

【新撰組も恐れをなす】 
 この頃、春蔵は、新撰組も恐れをなしたと言われています。
 慶応元年ごろ、春蔵は弟子を連れて京都を歩いていると、新撰組の隊員に出くわし、「道を譲れ。譲らぬと斬るぞ」と難癖をつけられ、相手は抜刀しました。
 このとき、春蔵は「わしは剣で腕を鳴らした桃井春蔵だ。お望みなら相手になるぞ」と告げました。
 すると、新撰組隊士は、慌てて謝罪し、退散したと言われていうことです。

【晩年は大坂で過ごす】 
 c0187004_8452691.jpg 慶応3年(1867)には遊撃隊頭取並に任じられ、春蔵は将軍慶喜と共に大坂入りしています。
 しかし、薩長軍との戦闘に反対し辞職しました。
 その後、大坂に残り、大阪府羽曳野市にある誉田八幡宮(こんだはちまんぐう)の宮司となりました。
 誉田八幡宮(右写真)は応神天皇陵のすぐ近くにあり、日本最古の八幡宮といわれているそうです。
 明治18年、コレラにより死去しました。61歳でした。

【門弟は土佐藩関係者が多い】 
 玄武館は水戸藩との関係が深く、練兵館は長州藩と関係が深いのですが、士学館は土佐藩との関係が深いようです。c0187004_2015343.jpg 
 安政4年頃には、龍馬伝に出てくる武市半平太が塾頭を勤めています。
 また、後に「人斬り以蔵」と呼ばれる土佐藩の岡田以蔵も士学館で修行しました。
 その他の門弟としては、四天王の一人浜松藩の上田馬之助もいました.
 さらに、期間は短いのですが佐倉藩出身で明治になって上田馬之介とともに警視庁の撃剣世話掛となった逸見宗助も士学館に入門した一人です。

 写真は、武市半平太や坂本龍馬が暮らした土佐藩中屋敷があった跡に現在たっている中央区役所です。
 ここからは蜊(あさり)河岸までは、5分程度の近距離にあります。
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by wheatbaku | 2010-06-18 08:23 | 『幕末』 | Trackback
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