薩摩藩邸焼き討ち事件(徳川慶喜⑥ 江戸検定今年のお題「幕末」
 昨日の小学生対象の史跡ツァーも無事終了しました。子供たちも熱心に説明を聞いてくれて楽しい史跡ツァーでした。
 今日は、王政復古クーデターから薩摩藩邸焼き討ち事件まで書きます。

【王政復古のクーデター】 
 慶応3年(1867)10月14日の将軍慶喜の大政奉還により、武力討幕派は倒幕の名目を失くします。
 そこで、武力討幕は「王政復古のクーデター」を実行しました。
 12月9日朝、薩摩・安芸・越前・尾張・土佐の藩兵が宮中に入り、それまで宮門の警備に就いていた会津・桑名の兵に変わって各要所を固めました。
 五藩の兵に守られた宮中の学問所において、明治天皇が「王政復古の大号令」を下しました。
c0187004_17491047.jpg  摂政、関白、幕府が廃止され、さらに国事御用掛、議奏、武家伝奏の廃止ならびに京都守護職、所司代の廃止されました。
 これにより、将軍だけなく摂政・関白を含め旧体制をすべて廃止したことになります。
 そして、新たに、「総裁・議定・参与」の三職がおかれました。
 しかし、どこにも徳川慶喜の名前はありませんでした
 でも、将軍職は廃止されても、慶喜は内大臣でした。
 そこで、 同日夜、小御所(右上の写真)において初めて開かれた三職会議において、岩倉具視と大久保利通は徳川慶喜の辞官納地を主張し、反対する山内容堂、松平春嶽と対立し、会議は紛糾して深夜におよびましたが、慶喜に辞官納地を命ずることが決定されました。

【薩摩藩邸焼き討ち事件】 
 これに対して、慶喜は大阪城に移り、まきかえしをはかります。
 こうした状況下で江戸で「薩摩藩邸焼き討ち事件」が起きます。
c0187004_17573523.jpg 幕府側と交戦する大義名分を欲する薩摩藩は、三田の薩摩藩邸に倒幕・尊皇攘夷論者の浪士を全国から多数集めました。
 ☆左の写真は、旧薩摩藩邸跡(現在、NEC本社)に建つ「薩摩屋敷跡」の碑
 彼らは薩摩藩士伊牟田尚平や益満休之助に指導を受け、「御用盗」と称してお金を強奪するほか、放火や掠奪・暴行などを繰り返して幕府を挑発しました。
 これには、江戸に騒乱状況をつくりだし、民衆の幕府の衰退を印象付け、最後には幕府を挑発し薩摩討伐に踏み切らせ戦争に巻き込むという薩摩藩のねらいがありました。
 
 12月23日午前6時ごろ江戸城二の丸大奥長局から出火し2千坪の建物がすべて焼失しました。
 天璋院は吹上の滝見茶屋に避難し、午前10時すぎに鎮火してから西の丸に入りました。この火災の時には、定火消し2組と町火消し12組が出動しました。
 また、同じ日の夜、庄内藩の屯所に鉄砲が撃ち込まれ使用人が一人死にました。

 ここに至り、老中稲葉正邦はついに武力討伐を決意し、12月24日に、庄内藩に加え、上山藩、鯖江藩、岩槻藩の三藩と、庄内藩の支藩である出羽松山藩が参加することになりました。
 12月25日未明、これらの藩は薩摩藩邸を包囲し、討ち入りを決行しました。
 薩摩藩邸や浪士も迎え撃ち奮戦しますが、多勢に無勢であり戦闘開始から幕府側の砲撃や浪士らの放火によって薩摩藩邸はいたるところで炎上し、
 当初より脱出を指示されていた浪士達は、火災に紛れて藩邸を飛び出し、一部は、薩摩藩の翔鳳丸にのって上方に逃れました。
 焼き討ち事件は、12月28日に、対薩強硬派として知られる大目付滝川具挙と勘定奉行小野広胖によって大阪城に伝えられます。
 大阪城内は喝采と興奮がうずまき、主戦論が一気にわきあがります。
 そして、徳川慶喜は沸きあがる薩摩討つべしとの声を抑えることができず、薩摩藩のねらいどおり幕府は討薩への意思を固めることになります。。
 幕府側は朝廷へと討薩を上表し、慶応4年(1868)1月京都に向けて進軍を開始しました。
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by wheatbaku | 2010-10-24 20:29 | 『幕末』 | Trackback
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