お正月を迎えるにあたって松を目にすることが多くなりますので、今日からは「松」についていろいろ書いていきたいと思います。
【マツの語源】
まず、マツの語源ですが、マツの語源についての定説はないそうですので、いくつかの説を紹介したいと思います。
マツは、神が天から降りるのを待つ木、「祭り木」が転じたものだという説があります。
また、松の葉は二股となっているので、股がマツになったなどの説があります。
貝原益軒は「大和本草」で「マツは『タモツ』の上を略したものである。「モ」と「マ」とはお互いに通じあう。マツとは久しく寿をタモツ木なり」と書いています。
【マツは日本に8種あります】
マツは、世界中に約90種類あります。松の生育地は、日本、朝鮮、中国、ヨーロッパ、北米など温帯を中心となっており、寒帯・熱帯には生息していません。また、北半球のみで南半球には生息していないそうです。
日本には、8種類のマツがあります。黒松、赤松が中心で、そのほか、五葉松、朝鮮松、姫小松、這松(ハイマツ)、琉球松、ヤクタネ五葉の6種類があります。
黒松、赤松は日本特産の松で、赤松、黒松の順で多いそうです。そして黒松は海岸に多く、内陸や産地では赤松が多くなっているそうです。
【黒松】
黒松は、赤松に比較して大きく樹皮が黒灰褐色で黒ずんでいて、成長するに従って、幹の皮が深く避けて亀甲型に割れます。葉は太く強剛で猛々しいため雄松(オマツ)とも呼ばれます。
海岸の砂地に多く生育するところから、潮風を受けて、成長すると幹や枝が著しく曲がり荘厳な趣を出してきます。
いわゆる白砂青松と呼ばれるのは、黒松が群生した海岸の風景を指したものです。
右上の写真が黒松です。全体的に黒っぽく見えるのがわかると思います。
【赤松】
赤松は文字通り樹皮が赤いのでこの名が付いています。
黒松とよく似ていますが、葉がやや細く柔らかく、手で触れても黒松ほど痛くありません。
そのため黒松が「雄松(オマツ)」と呼ばれますが、「雌松(メマツ)」と呼ばれることもあります。
また、成長すると黒松と同じように樹皮が鱗状に剥がれますが、赤松の方が、より薄く赤っぽくなります。
左の写真が赤松です。右上の写真と比較すると赤っぽいのがよくわかると思います。
【その他の松】
朝鮮松は、朝鮮に多いので、この名があります。文禄・慶長の役の際に日本に持ち帰ったという説もありますが、明治になって、中央山脈等に野生するのが発見され、この説は否定されました。
琉球松は、鹿児島県の奄美大島から沖縄諸島の西表島にかけて生育する松で、一名沖縄松とも言います。
這松(ハイマツ)は高山に生え、本州中央山脈では2000メートル以上のところに生育します。雷鳥は、這松の実を食べるといいます。
五葉松は、葉が五葉となっていて、庭園樹や公園樹として利用されます。
姫小松は、北関東以北に分布しています。