江戸っ子も花見は大好きでした。
桜は身近な花なのでよく知っているように思っています。しかし意外と知りません。
そこで、これから、桜の基礎知識について書いていきたいと思います。
【桜の原産地はヒマラヤ】
桜は、植物分類学的には、バラ科に属します。
バラ科には、ウメ、モモ、スモモなどの亜属があります。
サクラはバラ科の中のサクラ亜属に属しています。
そして、サクラの原産地ですが、原産地は日本と言いたいところですが、ヒマラヤが原産地です。
【主要な野生種は9種類】
桜は、現在、400品種以上もあるといわれています。
しかし、山に自生するのは次の9種類といわれています。
1、ヤマザクラ
2、エドヒガン
3、オオシマザクラ
4、オオヤマザクラ
5、マメザクラ
6、カンヒザクラ
7、チョウジザクラ
8、ミネザクラ
9、カスミザクラ
それらを、まず最初に紹介していきたいと思います。
【江戸時代までは、桜といえばヤマザクラ】
1、ヤマザクラ
ヤマザクラは代表的なサクラで、日本では宮城県以西、九州、四国に分布しています。さらに済州島や朝鮮半島にも分布しています。
一般的には、花弁は5枚の一重咲き、花の大きさは2から4センチくらいです。
葉が出ると同時に花が咲くため、葉が出るより早く咲くソメイヨシノのような派手さはありません。
花の色は淡紅色が多いが、白色の花もあり変化に富んでいます。
山桜は葉のうらが白いのが特徴です。
写真は「季節の花300」
眼代では桜といえばソメイヨシノを指しますが、万葉集の時代から江戸時代までは桜といえばヤマザクラを指しました。
そのため、在原業平の
「世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」
と詠った桜はヤマザクラです。
そして、江戸時代も、桜といえば、このヤマザクラでした。
隅田川の堤防に4代将軍家綱や8代将軍吉宗が植えさせたのもヤマザクラでした。
上野の寛永寺に植えられていたのもヤマザクラでした。
ですから、江戸っ子が見ていた桜はヤマザクラでソモイヨシノを見ていないのです。
また、有名な奈良県の吉野山の桜は、このヤマザクラです。
中段の写真は、吉野山を撮ったものです。