長命寺は、西武線の練馬高野台駅から徒歩3分の場所にあります。
順天堂大学練馬病院の北側にあります。
長命寺の山号は東高野山と言います。
これは文字通り東の高野山という意味のようです。
すごく立派な南大門が参拝者を迎えてくれます(右写真)
お寺の境内も広く、山門、本堂、奥の院と整っていて山号にふさわしいお寺です。
下の本堂を撮った写真をみていただくと境内の広さがおわかりになると思います。
【長命寺の歴史】
長命寺の草創は、慶長18年慶算が開基したものです。
慶算は、小田原北条氏の一族で増島重明と言いました。
北条氏没落後、高野山に登り修行中弘法大師の木像を感得しお寺を建てたのが始まりだそうです。
その後、慶算の志を継いだ重明の甥の増島重俊が金堂等の堂塔を整備し、寛永17年長谷寺小池坊秀算が谷原山(こくげんさん)妙薬院長命寺と名付けました。
江戸幕府からは9石5斗の御朱印を受けていたそうです。
本尊は十一面観音で観音堂に祀られていて、本堂には不動明王がまつられているとのことでした。
【奥の院】
本堂の西側には、高野山を模したという奥の院があります。
これは増島重俊が慶算の志を継いで整備したものです。
奥の院には弘法大師を安置した大師堂があります。
そこに至る参道の両側には供養塔や灯籠などが林立していて霊場にふさわしい雰囲気を醸し出しています。
奥の院は、よくよく見ると大規模ではないのですが、不思議とすごく広く感じさせる場所になっています。
この奥の院は東京都の指定旧跡となっています。
大師堂の裏には、慶安年間に造られた3代将軍家光の供養塔や十王像や十三仏が並んでいます。
十王は、地獄で亡くなった人の生前の罪業を判断する10人の王です。閻魔大王も十王の一人です。
【仁王門】
長命寺は江戸時代に建築された建物も明治30年の火事で本堂庫裏を焼失してしまいました。現在の本堂は明治37年に再建されたものです。
南大門の東側にある仁王門は寛文年間の建立で、長命寺で最も古い木造建築物です。
仁王門には、かつてはその名のとおり仁王様が安置されていたそうです。
入母屋造で屋根は銅板葺きです。 練馬区の指定文化財です。
【長命寺の梵鐘】
また、南大門の内側にある鐘楼に吊るされた鐘は慶安3年鋳造の鐘だそうです
長命寺の梵鐘は、銅製で、総高115センチメートル、口径63.2センチメートル、縁厚(えんこう)6.3センチメートルだそうです。
また、銘文によれば作者は、江戸時代に多くの鐘を造った矢沢次郎右衛門吉重という鋳物師だそうです。
こちらも練馬区の指定文化財です。
赤印が長命寺です。