ここの名物は「御目出糖」というおめでたい名前のお菓子です。
飯田橋にもお店があるので、以前、そちらで手に入れたことはあるのですが、お店の歴史等は本店で聞いてくださいということで、銀座にある本店を訪ねました。
【萬年堂の歴史】
萬年堂さん本店は、銀座にあります。東京メトロ銀座駅のA4番出口から6分程度、JR新橋駅銀座口からは5分で行けます。
萬年堂さんは、京都が創業の地です。
元和3年(1617)京都寺町三条にて「亀屋和泉」を名乗り創業したそうですので、創業以来400年余りがたった老舗中の老舗です。
京都で、御所、所司代、寺社等に菓子を納めていたそうですが、明治5年、遷都に伴い東京八重洲北槇町にお店を移して、「亀屋和泉萬年堂本店」の看板を掲げました。
しかし、そのお店も震災 戦災で焼失し、銀座に移転したそうです。
現在は、銀座に本店、浅草橋に支店があり、のれん分けしたお店として飯田橋に「いいだばし萬年堂」があります。
【御目出糖(おめでとう)】
萬年堂さんの名物は、なんといっても「御目出糖」です。
このお菓子は、元禄年間から作っているそうです。もともとは江戸時代の初めに朝鮮から伝わったと言われる高麗餅がありました。
その高麗餅を萬年堂で工夫をして赤飯様にしました。それを明治中頃に赤飯様の見た目から「御目出糖」と命名して、御祝儀菓子として販売しています。
なお、本来の高麗餅を現在でも販売しています。
写真の右が高麗餅、真ん中と左が「御目出糖」です。
「御目出糖」のようなお菓子は滅多にみたことがないので、どう作るのか教えてもらいました。
御主人によると、これは、小豆あんに、数種類の餅粉・米粉類を混ぜてそぼろ状にして大納言(豆の名前)の蜜漬けを散らし蒸して作るそうです。
作るのに3日間かかるといっていました。
そぼろ状になっているのがわかるでしょうか?
自宅で早速いただきました。
甘味は抑えられていて、食感ももちもち感があります。
見た目もきれいで、まさにご祝儀に最適です。
常温で5日持つそうです。でもすぐに食べてしまいました。
【太田蜀山人の書】
お店には、太田蜀山人の書が展示されていました。
ご主人に読み砕いていただきました。
「万年とかぎれる亀も尾のながき ともにひかれて億兆やへん」
だそうです。
まさに、萬年堂さんにふさわしい歌となっていて驚きました。
その他にも永井荷風の色紙も飾られていました。
こちらは、季節に応じて架け替えているそうです。
御主人にはいろいろ教えていただきました。ありがとうございました。
赤印が萬年堂さん本店です。
この地図は新橋から描いていますが、東京メトロの銀座駅からも、そんなに遠くはありません。
住所は東京都中央区銀座8-11-9です。