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江戸趣味小玩具「助六」(江戸の老舗)
 今日は 浅草の仲見世の老舗「助六」さんをご紹介しようと思います。

 「助六」さんのご主人は木村吉隆様と言いますが、浅草に行った時には、御主人に会うため必ず「助六」さんに顔を出します。
江戸趣味小玩具「助六」(江戸の老舗)_c0187004_1621797.jpg 「助六」さんは、仲見世の最も宝蔵門に近い一画にあります。仲見世が終わるところにあるのが人形焼の木村総本店さんですが、その手前が「助六」さんです。
 「助六」さんは江戸趣味のおもちゃを売っています。
 「助六」さんの創業は、幕末の慶応2年(1866)です。
 「助六」という名前は、花川戸に自宅があったので、歌舞伎の花川戸助六にちなんで「助六」とつけたという説と小玩具が「五臓六腑を助ける」ことから、「助六」と名付けたという説があるそうです。
 店内には、「助六」と書かれた額が掲げられています。

 現在の御当主木村吉隆様は五代目です。
江戸趣味小玩具「助六」(江戸の老舗)_c0187004_163085.jpg 慶応大学を卒業し、民間企業に勤めた後、42歳の時から家業を継いでいるそうです。
 アイデアも豊富、話上手、仲間も多いということで、仲見世の顔といってもよいのではないでしょうか。
 大変人当たりのよい方で情報も多く話をしていて大変楽しい方ですので、浅草に行った時には、必ず寄るようにしています。先日、浅草ガイドの下見に浅草寺にお参りした際に、久しぶりにお会いできたので写真を撮らさせていただきました


江戸趣味小玩具「助六」(江戸の老舗)_c0187004_16122297.jpg お店にはいると一杯おもちゃがありますが、助六」さんで販売している作品は、この「助六」さんにしかないそうです。
 ですから、ご主人は「日本でここだけにしかない」とよく言われます。「日本だけでなく世界にもないもの」だと思います。
 作品は、昔からのものもありますが、五代目御主人が企画したものも職人さんに製作してもらっているそうです。
 ご主人は「私はおもちゃは作れないが、アイデアは出せる」とよくと言われます。
 昨年には、「助六」さんの取り扱っているおもちゃを網羅した「江戸の縁起物」という本も出されています。
 大変綺麗に撮れたおもちゃを見るだけでも楽しいし、解説を読めばもっと楽しくなる素晴らしい本です。


 「助六」さんが扱っているおもちゃの中で、特徴的なものを教えてもらいましたので、紹介します。
江戸趣味小玩具「助六」(江戸の老舗)_c0187004_1632734.jpg 写真左は「笊かぶり犬」といいます。張子の犬が笊をかぶったものです。
 竹冠に犬を書くと「笑い」と読めますね。
 いつも笑顔でいらえるようにという洒落だそうです。
 写真右は「赤ふくろう」です。昔、赤い色は、病気を防ぐと信じられていました。
 これを持っていることにより、赤ん坊が病気にならないようにというおもちゃだそうです。起き上がりこぼしになっています。
 また、「ふくろう」に「不苦労」という字をあてて、苦労を知らないという意味を込めたり、「福籠」という字を当てて福が籠る、「福老」という字を当てて不老長寿を願い、福を呼ぶ縁起物と言われています。

江戸趣味小玩具「助六」(江戸の老舗)_c0187004_1635847.jpg 写真右は、「そろばん狸」といいます。
 これはそろばんをもっているので商売繁盛と思われがちですが、これは火事よけだそうです。
 そろばんの玉をぱちぱちさせて火を防ごうという願いが込められているそうです。


江戸趣味小玩具「助六」(江戸の老舗)_c0187004_1633455.jpg ご主人のアイデア商品を紹介します。
 左写真中央は「蛸と招き猫」と言いますが、合格祈願のためのおもちゃで、受験生に大変人気があるそうです。
 タコは英語では「オクトパス」と言います。
これを日本語に直すと「置くとパス」になります。
 これを置いておけば志望校にパスするということになります。


 ご主人は多方面にわたり大変な情報通で、いろいろ話題が豊富です。
 そのため、御邪魔すると話がつきません。
 お客様にも人気があります。 店頭は笑顔と笑い声で賑わっています。
 一度江戸玩具を見に「助六」さんに寄ってみてください。歓迎されると思います。

 赤印が「助六」さんです。 東側の仲見世の店舗の最後から一つ手前の店舗です。
by wheatbaku | 2012-11-21 07:30 | 江戸の老舗

江戸や江戸検定について気ままに綴るブログ    (絵は広重の「隅田川水神の森真崎」)
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