象山と海舟ら門人(八重の桜 第2話「やむにやまれぬ心」)
 昨日は佐久間象山が吉田松陰の海外密航に連座して蟄居になるところを書きましたが、佐久間象山について、もう一日書きますのでお付き合いください。
 佐久間象山は、多くの優秀な門人がいました。その人たちは、幕末から明治にかけての日本を大きく動かした人々でした。
 今日は、そのことについて書いてみたいと思います。

 勝海舟は、「八重の桜」に出てきたように、象山の弟子でした。
 「八重の桜」第2話では、象山が蟄居で松代に帰った後、勝海舟が「海舟書屋」と書かれた額(下写真)を取りにくる場面がありました。
c0187004_20524464.jpg
 勝海舟は本名は勝麟太郎で、海舟は号ですが、この海舟という号は、佐久間象山の家に掲げられていた「海舟書屋」という言葉から採ったと言われています。
 また、海舟と象山は義兄弟でもありました。
 海舟の妹の順子は佐久間象山の正妻となっているので海舟が義兄ということになります。
 嘉永5年11月に結婚しています。象山42歳で、順子は17歳ですので、25歳の差がありました。
 佐久間象山は42歳になって数人の妾がいて子供もいましたが正妻はいませんでした。
 そこで、象山が正妻を求めていたところ、勝海舟の母親が、その噂を聞いて、正妻を求めているのであれば娘をもらってくれるのであれば娘をやりましょうと言ってくれたのだそうです。
 これは象山が、国元の家老恩田頼母にあてた手紙に書いてある内容です。
 
 
 海舟が入門したのは、深川の砲術塾でした。
 佐久間象山は、嘉永3年7月に深川小松町の真田藩の藩邸内に砲術の塾を開きます。
 東京メトロの「門前仲町」から永代橋に向かい福島橋を越えた地点に説明板が立っています。
c0187004_2053947.jpg この塾には、松代藩士は当然入門しますが、他藩の藩士も入模します。
 豊前中津藩では、70人もの藩士が入門したと言います。
 嘉永3年に入門した人物には、勝海舟のはかに、函館五稜郭を設計する伊予大洲藩士武田斐三郎(あやさぶろう)、開成所教授となる津田真道などがいます。
 そして八重の兄の山本覚馬もこの時期に入門しています。

 嘉永3年12月に、佐久間象山は、門弟十数名を引き連れて、松代藩に帰っています。
 そして、佐久間象山は嘉永4年(1851)2月、生萱村から大砲の試射を行いました。
 すると目標の一重山を飛び越えて天領の満照寺に着弾しました。
 満照寺が松代藩領でなく、天領であったため、いろいろな問題が発生したといいます。
 同じ月に、再度、試射した際はうまくいき、見物客はその素晴らしさに驚いたといいます。

 佐久間象山は、かねてより江戸に居住することを願っていましたが、藩主真田幸貫の配慮で松代藩士のままで江戸居住を認められ、嘉永4年5月、江戸に向けて出立し、木挽町に砲術塾を開きました。
c0187004_854855.jpg 右写真が佐久間象山塾の説明板です。
 ここの地主は浦上四九三郎という人で洋学に関心のある人物だったので象山とは気が合ったといいます。
 この塾には象山の母親も同居しました。
 塾には大勢の門人が入門し、早朝から3.40人が通ってきて勉学に励んだそうです。
 そのため、本所の江川太郎左衛門塾や愛宕下の下曽根金三郎塾と肩を並べるほどだったようです。
 
 そして、この塾には、昨日紹介した吉田松陰や小林虎三郎をはじめとして幕末の政治を動かした重要な人物が入門してきます。
 吉田松陰と宮部鼎蔵が入門したのは嘉永4年のことでした。
 翌年の嘉永5年には、長岡藩の河井継之助、そして後の東京帝国大学総長となる但馬出石藩士加藤弘之が入門しています。
 嘉永6年には坂本龍馬が入門しています。これは勝海舟の紹介によるもと考えれているようです。
 嘉永7年には、越前藩士橋本左内、さらに真木和泉が入門しています。

 このように書いてくると佐久間象山の門弟のすごさに改めて驚かされます。

 赤印が、深川の真田家藩邸に最初に開いた「佐久間象山砲術塾跡」の説明板です。

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by wheatbaku | 2013-01-15 08:28 | 大河ドラマ | Trackback
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