「徳川将軍15代」「忠臣蔵」と政治分野が2回続きましたので、久しぶりの文化分野のお題と言っていいと思います。
このお題について、「幅が広過ぎて勉強をどうしたら良いかわからないのですが・・・・」というお問い合わせをいただきました。
このご質問は回答しにくい難問だと思います。
それは次のような事情からです。
過去にだされた「幕末」「徳川15代将軍」そして昨年の「忠臣蔵」といった政治史や事件史についての勉強方法は、だいだい時間の推移とともに勉強していけば大きなモレはありません。勉強の深度が浅いか深いかという差だと思います。
しかし、過去に出された「旅」や「江戸の名所」同様に、「江戸の食文化」といった文化分野は、入り口が多様です。
多様であるがためにどう勉強したらよいだろうと迷われるのかもしれません。
しかし、多様なアプローチがある場合には、これが正解と言う勉強方法はなく、受験される方がご自分にあったアプローチをすればよく、それこそ、全てが正解ということになると思います。
こうしたことから、受験される皆さんに一様にあてはまるアドバイスするというのが大変しくにくテーマであると考えています。
しかし、「私であれば、こう勉強する」という私自身の勉強方法は、書くことができます。
ですから、お問い合わせの回答になるかどうかはわかりませんが、私が考える「江戸の食文化」受験のための勉強方法を書いてみます。
文化部門については、アプローチ方法が多様であるため、勉強をし忘れる分野(いわゆるモレ)ができる可能性があります。
そこで、モレが生じないように、最初に全体像を把握したうえで勉強を始める必要があると私は考えます。
そこで、私は、「江戸の食文化」について、勉強すべき項目はどのような項目があるかをまず最初に考えてから、勉強しようと思います。
私が現時点で考える「江戸の食文化」で勉強すべき項目は次の通りです。
1、江戸の料理・食べ物
江戸時代には、主食や副食としてどんなものが食べられていたのだろうという項目になります。
江戸を代表する「寿司、鰻蒲焼、天麩羅・蕎麦」は、その歴史を含めて必須だと思っています。
その他、個人的には私は和菓子が大好きなので菓子類も勉強しようと思っています。
2、階層ごとの食事
江戸時代、将軍の食事と庶民の食事は当然違っていました。
そこで、将軍や御台所の食事はどうだったのか、それに対して庶民の食事はどうだったかを勉強します。
さらに、天皇・公卿・大名・武士の食事、そして朝鮮通信使、勅使の饗応の食事や幕末のペリー来航時の饗応内容などもチェックする必要があると思っています。
3、食材
江戸時代、食材は非常に豊富になりました。
そこで、食材についても勉強が必要です。
野菜、魚、肉、加工品、さらに調味料まで必要だと考えます。
野菜は江戸野菜、魚は江戸前の魚は必須でしょう。
調味料は、酒、砂糖、塩、酢、醤油、味噌、味醂ですね。
4、流通・販売ルート
食材の流通ルートとして、魚市場や青物市場が発達しましたので、その勉強、そして上方から酒などを運んだ「樽前廻船」から棒手振りまでの流通ルートの仕組みも勉強する必要があるでしょう。
また、江戸時代には様々な料理店も出現しました。
八百善を代表とする高級料理店や庶民が利用していた屋台などの勉強は必須だと思います。
さらに、「江戸買物独案内」に載っている名店、特に豊島屋や高崎屋などいまでも存続している老舗まで勉強したいと思っています。個人的に老舗めぐりは大好きですので・・・
5、季節の料理
お正月の鏡餅から始まって年越しそばまで、季節ごとの行事に伴う料理がたくさんありますので、これは絶対勉強する必要があると思います。
これは過去にブログに書いたことがありますが結構楽しいです。
とりあえず以上の項目ですが、勉強の進展に応じて、項目はさらに増えていくことになると思います。
これから、このブログで「江戸の食文化」についても書いていきますが、こうした項目について勉強しながら順次書いていこうと考えています。
それでは、次に何の本で勉強するかです。
詳細については後日改めて書こうと思いますが、最初に読む本は、食文化全体について書いた本を読んでアウトラインを掴んで、各分野の勉強をするのがよいと思っています。
この記事を書くにあたっていくらかの本を読みましたが、全体的に書いたものとしては「江戸の料理と食生活」や「江戸グルメ誕生」がよいと思いました。
一読しましたが、わかりやく読んで楽しい内容にもなっています。
「江戸の料理と食生活」は、原田信男編小学館発行2800円で、「江戸グルメ誕生」山田順子著講談社発行1400円でした。
こんな雑駁な内容でご参考になるかどうかわかりません。しかし、こんな雑駁なお話でも受験対策の勉強を考えるうえでいくらかでもお役に立てばうれしいです。