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「江戸の食文化」第三回模試正解
 今日は、「江戸の食文化」の第3回の模擬試験問題の正解をアップします。

「江戸の食文化」第三回模試正解_c0187004_9345262.jpg 参考図書は、永山久夫氏の「大江戸食べもの歳時記」(グラフ社発行:右写真参照)です。 

 問題はこちらをご覧ください。 
   ⇒  「江戸の食文化」 第三回模擬試験問題


 江戸検の今年のお題「江戸の食文化」に関連した
毎日文化センター主催の
 「江戸の食文化体験 ~江戸の老舗を巡る~」 
も 参加者募集中です。
 

1、 ③5合 

 大人の男性は一日5合食べました。現在の男性に比べると2倍程度の量を食べていたと思われます。
 
  参照 26~27ページ

2、 ②易林本節用集 

 これは、既に「醤油の歴史」の中で書きましたが、「易林本節用集(えきりんぼん せつようしゅう)」です。
 ①慶長見聞集(けいちょうけんもんしゅう)は、江戸初期の三浦浄心が書いた見聞記です。
 ③本朝食鑑(ほんちょうしょっかん)は、江戸前期の食物本草書で、作者は人見必大(ひとみひつだい)で、必大が元禄5年(1692)著した遺稿を子の元浩が元禄10年(1697)に刊行しました。
 ④和漢三才図絵は、江戸時代の図入り百科事典で、編者は大坂の医師寺島良安です。正徳2(1712))ころ完成と考えられています。

  参照 36ページ

3、 ④煎茶

 摘みたての新鮮な生葉を、蒸したり炒ったりして熱処理することで発酵を抑えた煎茶は、緑茶の中で、もっともよく飲まれている代表的なお茶です。
 この煎茶を、江戸時代の人も、毎日飲んでいたんですね。

 選択肢として出したお茶について簡単にコメントしておきます。
 ①番茶は、日本茶の基本的な主流から外れたお茶を総称して「番茶」と呼びます。
  摘採期、品質、地域などで日本茶の主流から外れた番外のお茶を指しています。
 ②玄米茶は、玄米とほぼ同じ量の番茶や煎茶を混ぜてつくられるお茶です。
 ③ほうじ茶は、煎茶、番茶、茎茶などをキツネ色になるまで強火で炒って(ほうじて)、香ばしさを引き出した お茶のことです。

  参照 134ページ

4、 ③料理物語

「江戸の食文化」第三回模試正解_c0187004_9351993.jpg 料理物語は、必修語句ですので、必ず覚えておきたい言葉です。
 寛永20年(1643)に刊行されたと言われています。
 著者は不明ですが、内容から、関西出身の料理人(もしくはそれに近い人)であったろうと言われます。
 ①料理献立集は 献立集として刊行されたものでは最古のものといわれています。
  この本の挿絵には当時の調理風景などが描かれていますがこれは菱川師宣が描いたのではないかともいわれています
 ②合類日用料理抄(ごうるいにちようりょうりしょう)は、 元禄2年(1689)初版の料理書で、江戸時代の料理百科です。
 ④料理切形秘伝抄は、秘伝伝受の日付が寛永19年(1642)とある四条流の秘伝書です。

  参照:47ページ

 右上写真は、東京家政学院大学生活文化博物館の特別展「江戸の料理」で展示されていたものです。

5、 ①黒い食べ物 

 丑の方角の守護神は、四神の中の「玄武」でした。「玄武」の象徴する色は「黒」ですので、土用の丑の日には、「黒い物を食べる」というおまじないが考えられました。

  参照115ページ

6、 ②お茶の入れ方が違う

 江戸でのお茶の入れ方は、小ざるの中に茶を入れて熱湯をかける漉茶(こしちゃ)でした。そのため、京阪よりお茶がおいしいと「守貞謾稿」には書かれています。

 参照  132ページ

7、 ④豆腐

 「お食い初め」の「祝い膳(いわいぜん)」には、赤飯、お頭付の魚、煮物、香の物などのほかに膳に小石が準備されます。
 この小石は、「歯固め石」と呼ばれ、小石のような硬いものでも食べれるぐらい丈夫な歯を赤ちゃんが授かるようにという願いを込めたものと言われています。
   こうしたことから小石は準備されますが、 豆腐が準備されることはありません。
 参照99ページ

8、 ①割り箸

 割り箸について、「守貞謾稿」には、「(鰻飯には)必ず引き裂き箸を添ふるなり。この箸、文政以来此より、三都ともに始め用ふ。杉の角箸半を割りたり。食するに臨んで裂き分けて、これを用ふ。これ再用せず。浄きを証すなり。」と書かれています。

 割り箸については、以前に書いていますので 詳しくはこちらをお読み下さい。 ⇒ 割り箸

  参照 162~163ページ

9、 ④6杯半(1斗9升5合)

 大酒大食の会は、問題になりやすいと思いますのでよく覚えておきたい項目です。
 文化14年3月23日に両国柳橋万屋八兵衛方での大酒大食の会のほか、大田南畝の「後水鳥記」に詳しく書かれている文化12年(1815年)10月21日、千住の中屋六衛門の六十の祝いとして催された「千住酒合戦」の様子も覚えておきたいものです。
 鯉屋利兵衛は6杯半飲んだ後、そのまま倒れ、しばらく休んでいたが、目を覚ますと茶碗で水を17盃飲んだそうです。

  参照  163~164

10、 ③玉子百珍

 「豆腐百珍」の成功を切っ掛けにいろいろ出版された「百珍もの」も問題になりやすいと思われますので、どんな「百珍」があるかは覚えておきいた方がよいと思います。
「江戸の食文化」第三回模試正解_c0187004_9354883.jpg 『万宝料理秘密箱』は、玉子料理以外の料理についても書いた料理本ですが、その中の「卵之部」があり103種のさまざまな卵の料理の方法が書かれていて、「玉子百珍」とも呼ばれています。
 「百珍もの」には、選択肢の①甘藷百珍  ②蒟蒻百珍 ④海鰻百珍(はむひやくちん)のほか、大根百珍などもあります。

 参照46、79ページ

 次回の模擬試験は、4月の上旬に出題しますが、青木直己氏著「下級武士の食日記」から出題します。
 これは、江戸検にも何度も出題されたことのある紀州藩士酒井伴四郎について書いた物です。
 200ページほどの新書版ですので、手軽に読めると思いますので、手に取って読んでみてください。

 

by wheatbaku | 2014-03-10 09:33 | 江戸の食文化

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