人気ブログランキング | 話題のタグを見る
花燃ゆ第14回「さらば青春」(大河ドラマ)
今回の「花燃ゆ」は、安政の大獄が話題の中心でした。
 梅田雲浜が逮捕されたのは、安政5年(1858)9月7日です。
 そして、吉田松陰に、野山獄への投獄の命令が下ったのが12月5日、実際の野山獄に入獄したのが12月25日ですので、今回は、3月程度の間の展開です。

 安政の大獄の直接のきっかけは、「戊午(ぼご)の密勅」です。
 「戊午(ぼご)の密勅」というのは、安政5年8月8日付けで水戸藩に下された勅諚(ちょくじょう)のことです。
戊午というのは安政5年の干支が戊午((つちのえうま、ぼご)であり、通常であれば勅諚というのは幕府に下さされるものですが、前例を破って朝廷から水戸藩に内密に伝えられたので「戊午の密勅」といわれます。
この異例の勅諚は、条約調印をめぐる幕府の対処の仕方を批判し、攘夷の推進を促しています。そして諸藩へ伝達せよという添書が付されていました

花燃ゆ第14回「さらば青春」(大河ドラマ)_c0187004_16060369.jpg この勅諚は、10日に、幕府にも通知され、勅諚の内容および通知の仕方が異常であることについて怒った大老井伊直弼は、戊午の密勅を推進した人々たちの弾圧を決意することになりました。 
こうして始まった弾圧事件が安政の大獄です。
 安政の大獄の狙いは、主に戊午の密勅に関与した人々および一橋慶喜の擁立を計った人々でした。 
そして、真っ先に捕縛された一人が梅田雲浜でした。
 「花燃ゆ」では、梅田雲浜の逮捕の時に、久坂玄瑞は同席していたように描かれていましたが、久坂玄瑞は直前まで京都に滞在していましたが、安政の大獄が始まる前には京都を去って江戸に戻っていたようです。
 右写真は、台東区松が谷の寺町の一画にある海禅寺にある梅田雲浜のお墓です。

 この弾圧の陣頭指揮を執るために、江戸から京都に送られてきたのが老中の間部詮勝でした。
 10月の末に、尾張、水戸、越前、薩摩の四藩が、井伊大老の襲撃を企てているという情報を得た松陰は、老中間部詮勝の襲撃を計画します。
 なぜ、井伊大老でなく間部詮勝なのか少し疑問に思う点ですが、これについて触れた本は、私がみる限りはありません。
 昨日の「花燃ゆ」でも、吉田松陰はいきなり老中の間部詮勝を撃つと言っていましたね。
 そして、松陰は、塾生の中から同志を募ります、
 海原徹氏の「吉田松陰」では17名の同志を得たとなっています。
 そして、「花燃ゆ」では、同志が血判を押した建白書を周布政之助に提出したとなっています。
実は、松陰は、「花燃ゆ」で描かれていた建白書以上の物騒なお願い書を藩政府に提出しています。
 松陰がお願いしたのは、銃砲と弾薬の借用願いです。これで、間部詮勝を襲撃しようというのです。

 この借用願いを受取った藩首脳は大いに驚きました。
 この願いに応じるということは、長州藩として幕府要人を襲撃するということであり、幕府に弓を引くことになります。
  当時の藩政府には、討幕などという考えは全くありません。
  そのため、当然、こうした松陰の願いなど聞きませんし、逆に、長州藩にとって害をなす人物と考えるようになります。
 吉田松陰に対して、前々から好意的に対応し、様々な局面で松陰を擁護してしいた周布政之助でさえ、ここまできたら、野山獄に投獄するしかないと判断しました。
 「花燃ゆ」では、小田村伊之助が進言したとなっていましたね。

 この松陰の野山獄投獄は、長州藩を守るとともに、松陰自身を守るという側面ももちろんありました。

 こうして、吉田松陰は、再び、野山獄に入獄することとなります。




by wheatbaku | 2015-04-06 21:09 | 大河ドラマ

江戸や江戸検定について気ままに綴るブログ    (絵は広重の「隅田川水神の森真崎」)
by 夢見る獏(バク)
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
以前の記事
2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
2023年 12月
2023年 11月
2023年 10月
2023年 09月
2023年 08月
2023年 07月
2023年 06月
2023年 05月
2023年 04月
2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
ブログパーツ
ブログジャンル
歴史
日々の出来事