江戸検の今年のお題の参考図書の紹介も今日でおしまいです。
今日は、歳事関係の参考図書をご紹介します。
歳事は、今年のお題の中では、比較的わかりやすい項目ですし、私自身は出題されやすい項目だと思っています。
そこで、歳事関係についてはしっかり勉強されるようにおすすめします。
先月終了した江戸検講座の準備のため利用した本を紹介しますが、参考図書「江戸の祭礼と歳事」は、多くの行事を必要なことをコンパクトによくまとめてあると思います。
従って、「江戸の祭礼と歳事」を精読することをお勧めしますが、さらに深く勉強するには、次のような本が参考になると思います。
当然、「東都歳事記」「近世風俗志(守貞謾稿)」は必須な本ですが、よく知られているので省略して、それ以外の本を紹介します。
『江戸の庶民生活・行事事典』(渡辺信一郎著、出版社「東京堂出版」)
この本は、以前にも紹介したことがある本です。
行事を月別に詳しく解説したもので、川柳を多数取り込んでいて、江戸庶民の様子もよくわかります。
「事典」という書名を付けているぐらいですので、詳しさでは、随一だと思います。
私が江戸検を受検した時から利用しています。
しかし、残念ながら、新刊書がありませんし、中古でも高額ですので、図書館で借りて利用する方法がよいのではないでしょうか。
次の参考図書は「和のしきたり―日本の暦と年中行事」(新谷尚紀監修)です。
歳事について知るには民俗学の知識が必要だということを初めて知りました。
3月3日が潮干狩りの日とされたり、7月7日に江戸で長屋をあげて井戸浚いをしたりする理由が、この「和のしきたり」を読んで理解できました。
一項目ごとの量も多くなくて文章もわかりやすいので読みやすい本です。
アマゾンの中古市場で安価で入手できますのでおすすめの本です。
「三省堂年中行事事典」(田中 宣一 、宮田 登編)は、コンパクトな大きさで、民俗学の立場からも解説されている本です。 内容がしっかりと書いてある本で、最初から読んでいってもおもしろい本です。
しかし、事典ですので、知りたい項目を調べられるようになっていますので、「江戸の祭礼と歳事」に載っている項目だけを読んでも知識は深まると思います。
以上、4回にわたり江戸検講座の準備のために利用した本を紹介しましたが、これが必読書というわけではありません。
講義のために読んでいるわけですので、私が読んだ本には、専門家・研究者の書いた専門書などは内容が難しいものもあり、必ずしも読みやすくわかりやすいというものばかりではありません。
江戸検を受検される皆さんが、それぞれご自分の興味好みに合うものを選んでそれをお読みになるのがよろしいと思います。