先週土曜日の獏塾江戸散歩のレポートの2回目です。
先週の獏塾江戸散歩の大きな目的の一つが「酒蔵見学」でした。
見学した酒蔵は「東京港醸造」さんです。
「東京港醸造」さんは、港区芝4丁目7番10号にあります。
路地にありますので、お邪魔する時には事前に場所を確認しておいた方がよいと思います。下記地図も参照にしてください。
「東京港醸造」さんは、2011年、港区芝という都心での酒蔵を開業し、昨年(2016年)7月に念願の清酒製造免許を取得し、23区内で二つしかない清酒製造の酒蔵だそうです。
獏塾江戸散歩でガイド役を勤めてくれたヤマトヤおじさんは東京港醸造の社長齊藤俊一様と親交があるため、今回の企画が実現しました。
当日は、斎藤社長さんが直々にお店とお酒について説明してくださいました。(右下写真の左端が齊藤社長さんです)
「東京港醸造」さんは、もとは「若松屋」という薩摩藩の御用達の造り酒屋でした。
若松屋は、信州出身の林金三郎に始まります。
林金三郎は酒造りに通じた齊藤重三郎を連れて江戸に出てきた飯田藩主堀家の下屋敷がある芝の地で造り酒屋を開業しました。
この林金三郎は、水野忠邦の「天保の改革」を支えた後藤三右衛門光亨の兄でした。
引化元年、後藤三右衛門光亨が贈収賄の罪で斬首に処された余波を受けた林金三郎は、一緒に江戸に出た齊藤重三郎に若松屋の一切を任せ、自身は紀州家の薦めにより深川油壺にあった紀州屋敷の蔵元に職を転じたのです。
こうしたことから、若松屋は齊藤家によって営業が続けられることになり、現在にいたっています
その頃の若松屋を贔屓にしたのは、近所に屋敷を構えていた薩摩藩で、薩摩藩の出入り商人として認められた若松屋は芋焼酎や濁り酒を製造しこれを薩摩藩屋敷に収めていました。
当時の若松屋は二十三軒間口の大屋敷だったそうで、居酒屋部分と酒蔵部分、それに特別な要人を接待するための奥座敷が設けられており、時には、西郷隆盛も利用していたそうです。
そうしたことから、飲み代の代わりに、若松屋に残したとされる西郷隆盛の書が残されていて、店内にはそのレプリカが展示されています。(右写真)
また、勝海舟や山岡鉄舟、高橋泥舟それに坂本龍馬など幕末史を彩る蒼々たる面々の名が伝えられていて、彼らが飲み代の代わりに書き残していった書は、現在でも若松屋に大切に保管されているそうです。
「東京港醸造」さんの清酒の銘柄は「江戸開城」ですが、西郷隆盛と勝海舟の会見の場に近く、東京港醸造さん自体が西郷隆盛や勝海舟と縁があることから名付けた名前のようです。
ちなみ「東京港醸造」さんは、「とうきょう みなと じょうぞう」と呼ぶそうです。
試飲させたいだいたのが「純米吟醸原酒江戸開城」でした。
齊藤社長さんのご説明では、製品スペックをホームページに開示するほどのがこだわりだそうです。(右写真は商品を説明する齊藤社長さん)
それによると原料米:兵庫県産 山田錦 精米歩合60%(28年度)
アルコール分:15.4%だそうです。
1本4000円だそうです。
これを思い切り試飲させていただきましたが、右写真をご覧ください。すっかり空っぽです。
ともかくおいしいお酒でした。
私も日本酒は大好きですが、久しぶりにおいしいお酒でした。
参加者の皆さんも異口同音でした。女性のみなさんたちも「すっきりしていておいしい」といっていましたから間違いないと思います。
一緒に写っているのは甘酒ですが、吟醸酒の方が人気が高くて、甘酒は栓をあけませんでした。
甘酒は一本1500円だそうです。
結局、大多数の人が、72mℓの大吟醸を買っていました。
齊藤社長さん、大瀬で押しかけたにもかかわらず親切に御対応いただき大変ありがとうございました。
赤印が「東京港醸造」です。