ガトリング砲(北越戦争レポート⑤)

ガトリング砲(北越戦争レポート⑤)

 河井継之助記念館を入ると、まず目に入ってくるのが、ガトリング砲です。ガトリング砲といえば即座に河井継之助の名前があがるほど河井継之助とガトリング砲は大変有名です。そこで、今日はガトリング砲について書きます。

ガトリング砲とは、複数の銃身を束ねた連発砲です。のちの機関銃の原型と言われています。

 記念館に展示されているガトリング砲は、中心軸を中心に6本の銃身を束ねてあり、右脇にあるハンドルをまわして銃身を旋回させると弾丸が連続発射する仕組みです。下写真は河井継之助記念館に展示されていたガトリング砲です。

c0187004_23443098.jpg


 

下写真がハンドル部分の拡大写真です。黒いハンドルを回すと銃身が回転し弾丸を発射する仕組みになっています。


c0187004_23363645.jpg

1861型では1分間に最大200発の発射が可能でした。そのため、宣伝文句で「一挺で一個連隊に匹敵する」と言われました

ガトリング砲は、1862年にアメリカの医師リチャード・ジョーダン・ガトリングによって開発された兵器です。

アメリカでは、南北戦争の最中でした。南北戦争は1865年に終了し、アメリカでの販売が難しくなります。

そこで、日本への売り込みが行われました。日本ではちょうど衣臭くなってきた時期でした。

日本には3台のガトリング砲が、ファーブルブラント商会によって輸入されました。そのうち2台を河井継之助は購入しました。

ガトリング砲は大変高価でして、河井継之助はこれを1台3千両(河井継之助記念館の説明によります。ほかの書物には5千両と書いてあるものもあります)で購入しました。

c0187004_23443807.jpg


 河井継之助は、鳥羽伏見の戦いで旧幕府軍が敗北すると、長岡藩兵を率いて江戸に急いで戻りました。

 そして、藩士のほとんどを長岡に帰した後、長岡藩の江戸藩邸および備品等を処分します。

 こうして工面した資金をもとに横浜で武器を購入しました。

それを、河井継之助は、横浜で船に積み込み、新潟港まで輸送し、長岡城に運び込みました。

このガトリング砲が威力を発揮したのが、慶応4年5月19日に新政府軍により長岡城が攻撃された時です。

この時、ガトリング砲を河井継之助は自身で操作して、慶応4年5月19日の長岡城攻防戦で使用し、新政府軍を苦しめました。

 こうした河井継之助とガトリング砲の活躍にもかかわらず、多勢に無勢で、長岡城は落城という憂き目にあっています。

 ガトリング砲は当時、日本には3門しかなかったと言われています。

 そのうち、2門が河井継之助が購入しましたので、残り1門がどうしたかということが疑問として残ります。

 これについて司馬遼太郎は「峠」で次のように、薩摩藩が購入し藩軍艦尾「春日」に載せたと書いています。

この砲は、継之助かスネルから買ったガットリング砲で、日本に三門しかないというもので、いわば世界的にまだめずらしい新兵器であった。日本に三門しかないうちの二門を継之助はおさえたが、あとの一門は薩摩藩に買われてしまった。薩摩藩はそれを藩冪艦の春日の艦尾にのせた。その艦尾砲の主任士官が東郷平八郎という青年であり、宮古湾海戦でこの砲が威力を発揮したが、むろん、この場合の継之助とはなんのかかわりもない。「機関砲」という名は、継之助がつけた。

なお、新政府軍の軍艦「甲鉄」にもガトリング砲が載せられていたようですが、このガトリング砲は『図説幕末維新の銃砲大全』によれば1685型という型式で、これは河井継之助が購入したものとは型式が違っているようです。

 


[PR]
by wheatbaku | 2017-07-03 23:17 | 『幕末』 | Trackback
トラックバックURL : http://wheatbaku.exblog.jp/tb/26787554
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。

江戸や江戸検定についてに気ままに綴るブログ    (絵は広重の「隅田川水神の森真崎」)
by 夢見る獏(バク)
プロフィールを見る
画像一覧
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
以前の記事
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
ブログパーツ
最新のコメント
ツユクサさん 江戸城散..
by wheatbaku at 12:53
獏様 江戸城散策、お疲..
by ツユクサ at 08:26
宮越さん コメントあり..
by wheatbaku at 11:42
今回のブログで、霊厳寺が..
by 宮越重遠 at 10:51
やぶひびさん 本妙寺は..
by wheatbaku at 13:05
「江戸から東京へ1」を図..
by やぶひび at 09:30
ツユクサさん 土曜日は..
by wheatbaku at 21:00
獏さん 案内お疲れ様で..
by ツユクサ at 11:10
小ツルさん 「むさしあ..
by wheatbaku at 09:50
バクさま、加州そうせい公..
by 鶴ヶ島の小ツル at 16:57
加州そうせい公様 私も..
by wheatbaku at 07:34
バクさん 昨日の江戸楽..
by 加州そうせい公 at 17:31
mikawaさん 先日..
by wheatbaku at 12:55
宮越さん コメントあり..
by wheatbaku at 09:03
宮越さんからコメントをい..
by wheatbaku at 09:00
mikawaです。先日は..
by mikawa ケンイチ at 08:17
ツルさん 名古屋に住ん..
by wheatbaku at 16:18
獏さま ははあ、あの石..
by 鶴ヶ島の小ツル at 15:20
やぶひびさん NHKB..
by wheatbaku at 17:54
今夜3/3.20:00~..
by やぶひび at 12:49
最新のトラックバック
穴八幡宮
from Coffee, Cigare..
風景印  28.4.30..
from としちゃんの風景印・郵趣日誌
山王日枝神社@溜池山王
from たび☆めし☆うま BLOG
浮世絵の誕生・浮世絵の歴..
from dezire_photo &..
小網神社@人形町
from たび☆めし☆うま BLOG
二つの感応寺
from Madam'Blog
江戸検講座「江戸の祭礼と..
from Madam'Blog
浅草寺本尊示現会
from Madam'Blog
江戸料理 八百善
from お気楽マダムの奮闘記
‘七福神’宝船 装飾新調..
from ローカルニュースの旅
お気に入りブログ
江戸・東京ときどきロンドン
ファン
ブログジャンル
歴史