古屋佐久左衛門のお墓(谷中霊園に眠る幕末の有名人⑫)

古屋佐久左衛門(谷中霊園に眠る幕末の有名人⑫)

 谷中霊園に眠る幕末の有名人の12回は古屋佐久左衛門です。

 古屋佐久左衛門は、前回書いた高松凌雲の実兄です。

古屋佐久左衛門は、天保4年(1833)、筑後国御原郡古飯村(現・福岡県小郡市)の庄屋高松与吉の次男として生まれました。
 高松凌雲は天保7年に生まれていますので、3歳年上ということになります。

古屋佐久左衛門のお墓は、高松凌雲のお墓のすぐ近く乙2号10側にあります。

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墓誌には、「是性院釋㚖法城 明治2年6月14日」と書かれています。


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古屋佐久左衛門について書いたものはあまり多くありませんが、『五稜郭の兄弟』(高橋義夫著)が、高松凌雲と古屋佐久左衛門を主人公とした小説が、五稜郭落城までの二人の生涯を描いています。

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嘉永4年(1851)に家を出奔した古屋佐久左衛門は、長崎と大坂で医学を修め、江戸に移り洋学や剣術を学びました。

そうした中で、御家人の古屋家の養子となりました。

 万延元年、神奈川奉行所の運上所の定役となりました。この時、ヘボンや長老派宣教師に英語や洋学を学びました。

 その努力が認められ、文久2年には、神奈川奉行所通訳となりました。

通訳をする中で、横浜に駐屯していたイギリスの軍隊に用兵術を学び、英語の兵書を翻訳し『英国歩兵操典』『歩兵操練図解』を著しました。

この兵書を翻訳したことにより、古屋佐久左衛門は、西洋兵術の一人者と認められるようになり、フランスからの軍事顧問団を招き訓練を行うため建設されることになった太田陣屋の伝習所の普請を行いました。

慶応2年には、歩兵差図役に任じられ、伝習隊が江戸に移り、越中島などで幕府陸軍の訓練しました。

戊辰戦争開戦時は幕府陸軍で歩兵差図役頭取でした。

鳥羽・伏見の戦いで第11連隊の指揮官佐久間信久と第12連隊の指揮官窪田鎮幸が戦死したため、江戸に戻った兵隊が、北関東に脱走しました。

そこで、古屋佐久左衛門は、勝海舟の許可を得て、元京都見廻組の今井信郎らと共に脱走兵取締のために江戸を出発し、脱走兵を説得し帰順させ、それらを忍藩に預けて江戸に戻りました。

江戸に戻ると、歩兵頭並に任じられて、信濃鎮撫の命令を受け、羽生に向かい、先に帰順した兵とともに、梁田宿に入りました。ここで、新政府軍から攻撃を受けて敗北しました。

そこで、一旦会津に向かうことにし、藤原を経て、会津に入り藩主の松平容保にも謁見しました。

その後、会津若松を発った際に部隊の名前を衝鋒隊としました。

衝鋒隊は水原、新潟を経て、高田に入り、飯山城下へ向かった後、新政府軍の松代藩・尾張藩から攻撃を受けました。

この時に、味方と思っていた飯山藩から攻撃をうけ、敗北しました。

さらに、越後へ退却すると、高田藩からも攻撃され、衝鋒隊は、ここでも敗北しました。

その後、長岡を中心に展開した北越戦争で、衝鋒隊は、各地を転戦して戦いましたが、長岡城が陥落した後、奥羽越列藩同盟の諸藩は、それぞれ、米沢藩や会津藩に帰藩しました。

そこで、衝鋒隊は会津方面に撤退しましたが、会津藩は、新政府軍の総攻撃を受けて、会津若松城に入城することができず、城外で戦いました。しかし、会津藩が降伏する情勢となったため、福島を経て、仙台に着きました。

 仙台藩も降伏したため、石巻から榎本艦隊に合流し、さらに北の箱館に向かいました。

古屋佐久左衛門は、箱館でも、衝鋒隊を率いて戦い、蝦夷政権では歩兵頭に任命されました。

明治2年5月12日に、新政府軍は箱館を総攻撃を開始し、箱館湾から軍艦による艦砲射撃により、五稜郭も砲撃を受け、古屋佐久左衛門は、砲撃により重傷を負い、4日後の16日に死去しました。享年37歳でした。


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by wheatbaku | 2017-12-07 22:33 | 『幕末』 | Trackback
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