2017年 10月 30日 ( 1 )
古河市兵衛(幕末・維新を乗り切った商人たち⑧)

古河市兵衛(幕末・維新を乗り切った商人たち⑧)

幕末・維新を乗り切った商人たちの第8回は、古河市兵衛です。

皆さんは、駒込の旧古河庭園はご存じだと思います。また、明治の足尾銅山鉱毒事件、そしてその足尾銅山を経営していた古河鉱業、また、古河電気工業、富士電機、富士通などの古河グループの会社をご存じだと思います。

これらは、すべて、古河市兵衛が関係している事柄です。

古河市兵衛は、古河財閥の創業者で明治以降に成り上がった企業家というイメージが強いですが、実は、幕末から小野組の有能な番頭として知られていました。

昨日、書いた小野組が破綻した際にも、その整理に奔走しました。

まさに、幕末・維新を乗り切った商人の一人です。

古河市兵衛は、京都岡崎の金戒光明寺門前で木村長右衛門の次男として生まれ、幼名を木村巳之助といいました。
 木村家は、代々醸酒業を営み、庄屋を務めましたが、父の代には没落して、豆腐屋を営んでいました。

18歳で商人を志し盛岡の伯父のもとに行き、大坂の鴻池の分家の盛岡支店であり、南部藩御用掛を勤める盛岡鴻池屋伊助店に勤めました。

安政5年には、叔父の紹介で小野組糸店手代の古河太郎左衛門の養子となり、市兵衛と名乗りました。

以後、養父の縁で小野組に勤め、奥州一帯の生糸を買い付けては横浜に送り,同店の生糸取引に手腕をふるいました。
 古河市兵衛は、小野組の有能な番頭として活躍したのでした。

こうした働きが認められ、明治2年に、小野本家は、古河市兵衛に「井筒屋」の暖簾を分けて分家に昇格させました。

そして、古河市兵衛は、東京に小野組糸店を出店し、小野組糸店支配人として生糸貿易を指揮しました。

また、東京築地に器械製糸場を開設する一方、産卵紙を買占め、外国に売りさばき大きな利益を得ています。

また、阿仁,院内などの鉱山経営もスタートさせたり、第一国立銀行の設立にも加わり、自身も5万円の出仕をするなど、小野組を支える一人として大活躍しました。

しかし、明治7年に、小野組は、政府が命じる公金に対する担保提供ができず、破綻することになります。

この時、小野組は第一国立銀行から多額の借金をしていましたが、古河市兵衛は、借金に見合う米や生糸を提供し、第一国立銀行は大きな損失を被ることがありませんでした。

この古河市兵衛の態度を、第一国立銀行の頭取渋沢栄一は高く評価をしています。

小野組破綻後、古河市兵衛は、独立創業し,鉱山業に活路を求めました。

資本が乏しいため,渋沢栄一の援助により、相馬家名義で草倉銅山の経営に着手し、明治9年には廃山同様であった足尾銅山を買収し、相馬家と共同経営を開始、その後も院内銀山,阿仁銅山などの払い下げを受けました。

当初の足尾の経営は苦難の連続でしたが、明治17年の大鉱脈発見で好転し、明治20年代には住友の別子銅山を凌駕し,産出高が日本一の銅山となりました。  

その後、足尾銅山は鉱毒問題に直面することになり、古河市兵衛は、社会的な批判もうけ、経営方法が一新されることになりました。





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by wheatbaku | 2017-10-30 12:29 | Trackback
  

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