2017年 11月 02日 ( 1 )
尊攘派志士を助けた女性「松尾多勢子」「中西君尾」

尊攘派志士を助けた女性「松尾多勢子」「中西君尾」

明日は、江戸検の本番ですね。
私も会場入り口で皆さんの応援をするつもりですが、
江戸検を受検される皆さんの奮闘をお祈りしています。 

お題テキスト「疾走!幕末・維新」には、「幕末の女性たち」の中で、尊攘派の志士を支えた女性たちが取り上げられています。

 ここに書かれた女性たちは有名な人物ですので、江戸検を受検される皆さんは、すでにしっかり勉強されていると思います。

 今日は、お題テキストに載っていないものの、幕末の女性を取り扱った本には必ず書かれているといってもよい「松尾多勢子」と「中西君尾」について、応援の気持ちを込めて書いていきます。

【松尾多勢子】

松尾多勢子は、尊王攘夷師派の志士の中で、「信州からきた歌詠み婆さん」として、探索,連絡の役を上手に果たした女性で、特に岩倉具視の暗殺計画を中止させたことが最も大きな手柄とされています。

松尾多勢子は信濃国下伊那郡山本村の庄屋、竹村常盈の長女として生まれました。

19歳のとき、伊那谷伴野村の豪農、松尾家の長男、左次右衛門と結婚し、6男4女をもうけました。

主婦・母として30余年を過ごし和歌を学ぶ中で、とりわけ飯田の歌人・国学者岩崎長世の説く尊王攘夷論に感化され、51歳で平田派の門下となりました。

文久2年、隠居の身であった多勢子は52歳で上洛し多くの公卿や志士たちと交わりました。

その当時、公武合体運動の中心として活躍した岩倉具視は佐幕派とみられていて、尊王攘夷派の間には岩倉具視を暗殺しようという動きがありました。

その際に、松尾多勢子は、岩倉具視に「信州からきた歌詠み婆さん」として近づき探索活動を行いました。

その結果、岩倉具視は実は勤王派であることを探り出し、岩倉具視を天誅のリストから外させました。

岩倉具視にとって松尾多勢子は命の恩人となったのです。

翌年2月、平田派の関係した京都等持院足利三代木像梟首事件の際に、嫌疑をかけられ捕縛されそうになり、捕縛直前に長州藩邸にかくまわれ難を逃れています。

その後、故郷に帰り、水戸天狗党が伊那谷を通過する際には、長男を派遣し協力しています。

 明治維新後は、岩倉具視に請われて岩倉家の家政を取り仕切るとともに子供の教育も任され、「岩倉家の女参事」とか「岩倉の周旋老媼(しゅうせんばばあ)」とも呼ばれました。

明治27年84歳でなくなりました。

【中西君尾】

中西君尾は、祇園の芸者でした。

多くの長州藩士と交流したなかで、特に井上聞多、品川弥二郎とのつながりが有名です。

 中西君尾は京都府船井郡八木町に生まれました。

19歳で祇園の置屋、島村屋から芸妓となり、高杉晋作を介して、多くの徴収藩士と交流しました。

長州藩士の中でも井上聞多(井上馨)と親密な間柄となりました。

元治元年、井上馨が長州藩内で敵対する俗論党に襲われ、止めの刃を胸に受けたとき、懐の鏡に切っ先があたり死を免れました。

この鏡は、文久3年に井上馨がロンドンに密航して留学した際に、井上馨が自分の小柄と交換した君尾の鏡でした。

井上馨がずっと肌身離さず持っていた君尾の鏡が命を救ったのでした。

 また、品川弥二郎とは、井上馨がロンドンに留学した後に、恋仲になりました。

 慶応4年に、新政府軍が江戸に向かう際に歌った「宮さん、宮さん、・・・」の「風流トコトンヤレ節」は品川の作詞といわれています。

 そして、作曲は大村益次郎とする説が有名ですが、曲をつけたのは君尾だとする説もあります。

また、錦の御旗の生地を品川弥二郎が君尾に買わせたという説もあります。

中西君尾は、品川との間に一子をもうけましたが、維新後も祇園で芸妓を続け大正7年に75歳でなくなっています。



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by wheatbaku | 2017-11-02 12:10 | 『幕末』 | Trackback
  

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