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第8回「江戸の祭礼と歳事」模擬試験問題


 

 昨日は、江戸楽アカデミーの「過去問題からみる『江戸博覧強記』勉強の実践的ポイント」というタイトルの講座で「博覧強記」の勉強の仕方についてお話してきました。

c0187004_08514982.jpg 7月12日開講として募集した講座に対する希望者が多くて追加で開講することにした講座です。

 当初の予定では8月9日に予定していましたが諸事情により昨日開講とさせていただきました。

 講義の内容は7月12日に開講した講座と同じで、江戸検1級の過去問を分析した結果に基づく「博覧強記」の勉強の仕方についてお話しました。

 受講された皆様は大変熱心にお聞きいただきました。

 受講された皆様ありがとうございました。


 昨日の講座では、過去問を勉強することの重要性とともに模擬試験などに取り組むことの重要性についてもお話させていただき、具体的に「江戸の祭礼の歳事」について模擬試験を出題して解いていただきました。

 本日は、昨日の講座で出題した模擬試験をアップします。。

 第6問以外は、すべて参考図書「江戸の祭礼と歳事」から出題していますので挑戦してみてください。

 正解は、9月2日(水)にアップしますが、正解がわからない場合には「江戸の祭礼と歳事」を確認されても事前に正解はお分かりになると思います。

 



1、江戸時代、力士たちは相撲年寄によって部屋ごとに統括されましたが、大名のお抱えとなる力士もいました。

 彼らは、藩から士分の格と衣服や刀などを贈られ、手当も支給されました。

それでは、次の力士と抱えた藩の名前が正しくない組合せはどれでしょう? 

①谷風梶之助   - 仙台藩

 ②小野川喜三郎  - 久留米藩

 ③雲龍久吉    - 柳川藩

 ④不知火光右衛門 - 出雲藩

2、明和三美人の一人として有名な「笠森お仙」が門前の茶屋にいたことで有名な笠森稲荷は、寛政5、6年には疱瘡平癒を願う願掛けが流行りました。

 それでは、願いが叶って疱瘡が治った際には、何を供えたでしょう? 

 ①米の団子  ②土の団子  ③柳の楊枝  ④櫛

3、「浅草田圃なる立花左近将監鑑寿が別野の鎮守稲荷の社(略)利生あらたなりとて、江戸幷に近在の老若参詣群参する事夥し」(『徳川実紀』)

これは天明から享和期にかけて、大流行した神社に関する記述です。一時沈静化したものの、再び天保期に大流行したこの神社は、どこでしょう?

①翁稲荷  ②黒田稲荷  ③太郎稲荷  ④三崎稲荷  

4、最初の富士塚は、安永8年頃に食行身禄の弟子の植木職人藤四郎が築いたとされています。

それでは、江戸における最初の富士塚が築かれた神社はどれでしょう?

①駒込富士神社  ②水稲荷神社 
  ③鉄砲洲稲荷神社  ④品川神社

5、開帳は、時代が下がるとともに秘仏や宝物だけでなく奉納物にも関心が集まるようになり開帳奉納番付も作られるようになりました。

嘉永5年に行われたある神社の居開帳の際にも開帳奉納番付がつくられました。その開帳奉納番付に紹介された石灯籠・百度石・撫で牛などは現在も残されています。

この神社は次のうちどれでしょう?  

①谷保天満宮  ②湯島天神  ③平河天満宮  ④亀戸天満宮

6、下の絵は、伊勢神宮内宮の入り口にある宇治橋の様子を描いたもので、川のなかで網をもった人たちが描かれています。

さて、この人たちはいったい何をしているのでしょう?

①橋の上から投げ込まれる銭を受け取っている

②食べるとご利益があるという鯉を捕っている

③神聖な川として清流を保つため川底を掃除している

④霊験あらたかと伝わる川底の石を拾い参拝客に売っている

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7、浅草寺の仁王門は、昭和20年の戦災で焼失してしまいましたが、江戸時代には、仁王門の仁王尊も願掛けの対象となりました。

ふだん仁王門は施錠されており仁王尊に近づけませんが、毎月8日だけは「股くぐり」が許されました。

それでは仁王尊には何の願懸けをしたのでしょう?

 ①盗賊除け  ②疱瘡  ③歯痛  ④怪我除け

8、江戸での出開帳が最も多かったのは成田山新勝寺で江戸時代を通じて12回ありました。

成田山新勝寺の出開帳は、平井村燈明寺で1回行われましたが、それ以外はある寺社で行われました。

それは次のうちどれでしょう?

①深川永代寺  ②本所回向院  ③湯島天神  ④大塚護国寺

9、狐憑きに霊験があるとされた稲荷は次のうちどれでしょう?

 表面を黒く塗りつぶした独特な札が江戸で人気がありました。

また、江戸時代には、外神田にありましたが現在は両国に鎮座しています。

①芭蕉稲荷  ②柾木稲荷  ③津軽稲荷  ④能勢稲荷  

10、佐倉惣五郎伝説によれば、佐倉惣五郎は、佐倉藩堀田氏の苛政に苦しみ、堀田氏への門訴や老中への駕籠訴を行い、最終的には4代将軍家綱に直訴したため、惣五郎と家族が死罪になったとされています。

それでは、この時の佐倉藩の藩主は、次のうち誰だったでしょう?

①堀田正盛  ②堀田正信  ③堀田正亮  ④堀田正睦





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by wheatbaku | 2015-08-31 08:45 | 江戸の祭礼歳事 | Trackback
江戸検お題参考書(③江戸っ子の信心) (江戸の祭礼と歳事)

江戸検お題の参考図書のご紹介ですが、今日は第三章「江戸っ子の信心」で参考にした図書を紹介しておきます。

この章では、参考にした本が多くありました。

c0187004_10550627.jpg 願掛けの諸相は、「願懸重宝記」について書いた部分です。

 これは「重宝記資料集成」という本の中に収録されていますが、くずし字で書かれています。

私はくずし字は読めませんが、比較的わかりやすい文字でしたので概略は理解できました。

でも、受検される皆さんは、参考図書「江戸の祭礼と歳事」の85頁の表をよく読んでおけばよいのではないでしょうか。

c0187004_10553620.jpg稲荷信仰については「稲荷信仰」を参考にしました。

稲荷信仰というは、伏見稲荷の由緒から勉強する必要があり、奥の深いテーマです。

それらを知る上で、参考になりました。

ただ、江戸の稲荷だけをしりたいと思った場合には、その中の「江戸の稲荷」などを読むだけでよいかもしれません。

また、稲荷信仰の勉強では、東都歳事記の初午の項目はしっかり読む必要があります。




c0187004_10560300.jpg 「流行神の隆盛」については、ちくま学芸文庫「江戸のはやり神」(宮田登著)を参考にしました。

「流行神」だけでなく、江戸の人々が小さな神々に、いろいろな願掛けをしていることも書いてあります。

この本は、文庫本でもあり、文章も易しく書いてありますので、比較的容易に読むことができるのではないかと思います。





 「講の隆盛」には、伊勢参りと富士講と大山参りが主に書かれています。

伊勢参りで参考にしたのは、河出書房新社「絵図に見る伊勢参り」と平凡社新書「犬の伊勢参り」(仁科邦男著)でした。
 富士山信仰と大山参りについては「江戸学事典」を参考にしたのと富士山信仰では、吉川弘文館「宮田登 日本を語る〈2〉すくいの神とお富士さん」(宮田登著) を参考にしました

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「厄災と慰霊」のうち、平将門の怨霊については「神田明神史考」を参考しました。

「和霊騒動」については、「宇和島藩 (シリーズ藩物語)」を利用しました。

関東にいる私達には縁遠い宇和島藩の和霊騒動について詳しく書かれています。

佐倉宗五郎の義民伝説については、吉川弘文館「佐倉惣五郎 (人物叢書 新装版)」を利用しました。
 佐倉惣五郎伝説や堀田家の動向が詳しく書かれています。

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by wheatbaku | 2015-08-28 10:50 | Trackback
江戸検お題参考書(②開帳・富くじ・相撲) (江戸の祭礼と歳事)


 今日も江戸検の今年のお題の参考図書について書いていきます。

今日は、第2章「庶民の楽しみと寺社」で参考とした図書について紹介しようと思います。

これからは、ほとんど小項目ごとに、一冊の専門書を参考にしていくとパターンになります。

c0187004_10323607.jpg開帳については、吉川弘文館「江戸の開帳」(比留間尚著)を利用しました。

開帳には、居開帳と出開帳がありますが、居開帳と出開帳について詳しく書いてあります。 

その中で、開帳が数多く行われていた本所回向院と浅草寺での開帳の様子が説明されています。
 さらに出開帳で特に数の多い成田山新勝寺、長野善光寺、嵯峨釈迦如来、身延山久遠寺の出開帳についても書いてあります。

200ページ程でそれほどページ数も多くありませんので、取り組みやすいのではないでしょうか?
 新刊本はありません。中古市場で入手するか図書館を利用してください。


c0187004_10324424.jpg富くじについては、参考になるのが一冊しかありませんでした。

江戸楽アカデミーの講師もされている滝口正哉先生が書かれた「江戸の社会と御免富―富くじ・寺社・庶民―」です。

富くじの歴史が詳細に書かれています。

「江戸の祭礼と歳事」の富くじも詳しく書かれていますが、より詳しく知りたい方は、この本が適切だと思います。

大変高価な本ですので、購入するのは大変だと思います。

しかし、所蔵している図書館は多いと思いますので、お近くの図書館で借りてご利用ください。


c0187004_10325265.jpg相撲については、数多くの本が出ています。

しかし、現代の「大相撲」について書いている本が多いように思います。

講義の準備に使用したのは講談社学術文庫「相撲の歴史」(新田一郎著)です。

これは、講談社文庫ですので、携帯に便利ですが、相撲の起源から現代の相撲までの歴史について書いてありますので、多少ボリュームがあります。

相撲は、奈良時代以前からの歴史を持っていますが、その相撲の歴史はよくわかります。

 しかし、取り急ぎ、江戸時代の相撲を知りたいのでそれ以前は不要と考える方は、後半部分だけを読むのでよいかもしれません。
 この本を読むと戸の勧進相撲についてより一層理解が進むと思います。
 ただし、新刊本はありません。中古市場で入手するか図書館で借りて読むということになります。







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by wheatbaku | 2015-08-27 10:19 | Trackback
江戸検お題参考書(①天下祭) (江戸の祭礼と歳事)

 江戸検の今年のお題「江戸の祭礼と歳事」についての江戸検講座が終了しました。

 しかし、今年のお題に関する参考図書があまりなくて、講座の準備には苦労しました。

 江戸検を受ける方々も苦労されていると思います。

 そこで、江戸検講座の準備のため参考にした図書を、これから数回に亘って紹介していきます。

 江戸検を受ける方にいくらかでも参考になればと思います。


 まず、総論ですが、「江戸の祭礼と歳事」に関して、1冊の本でほとんどの項目を勉強できるという図書は、私がみる限りありません。

 そのため、各項目を深く勉強しようとする場合には、その項目についてだけ書いた本を読まざるをえないということになります。
 そこが、今年のお題「江戸の祭礼と歳事」の勉強の難しさだと思います。

 そうした中で、比較的多くの項目を網羅しているのが、「江戸学事典」です。

c0187004_09413816.jpg 「江戸学事典」の中には、「祭と開帳」と「川開きと酉の市」という項目があります。

 この二項目は、今年のお題に関係しています。

 ちなみに「祭と開帳」の主な小項目をあげると次のようになります。

 「祭」「開帳」「山王権現」「神田明神」「根津権現」「富くじ」「富士講」「稲荷」「大山詣」「六地蔵」「六阿弥陀」など

  「川開きと酉の市」では、「年中行事」「縁日」「川開き」「月見」「酉の市」「歳の市」などです。
 現在も市販されています。
 高額ですが、1級合格をめざす方は入手されるとよいと思います。
 「祭礼と歳事」以外にも、大変勉強になります。

 これから項目別に参考にした図書を紹介していきますが、天下祭関連で参考図書としたのは次の本です。
 天下祭に関する本は、入手するのが難しい本が多かったですね。

c0187004_09383372.jpg 「日枝神社史」は、日枝神社の社史です。
 この本は700ページを超える大変ボリュームのある本です。

 しかし、日枝神社の歴史が非常に詳しく書かれています。

 当然のことながら、山王祭についても詳しく書かれています。

 この本は昭和52年に出版されたもので、現在は、図書館でしか読むことができません。
 日枝神社について深く知りたいと考える方は、図書館(しかも東京都内の図書館)で学んでください。

 

c0187004_09384069.jpg 「神田明神史考」は神田明神の社史です。

 この本も神田明神の歴史や神田祭について詳しく書かれています。

 特に、将門伝説については詳しく書かれていて、大変興味深い内容が書かれています。

 この本は、市販されていませんが、神田明神にお願いすれば入手できます。

c0187004_09324788.jpg 天下祭の祭礼行列を盛り上げたのが「山車」です。

 その「山車」について、詳しく書かれているのが、「続・江戸型山車のゆくえ」です。

 この本は、祭礼を研究する人にとっては、「バイブル」とまで呼ばれるほどのものだそうです。

 ただし、これも平成11年に出版されたもので現在は市販されていませんので、図書館で読むしかありません。






 c0187004_09414533.jpg天下祭の山車について書いた本には、「大江戸の天下祭り」という本もあります。

この本は、「江戸型山車のゆくえ」よりは入手が容易で、アマゾンでも入手できるようです。

「江戸型山車のゆくえ」は、まさに研究書といった雰囲気ですが、私たち一般の人には「大江戸の天下祭」のほうが少し読みやすいと思います。







 

c0187004_09325428.jpg 一番入手しやすく読みやすいのが「ご遷座400年奉祝 神田祭」です。

これは、今年行われた神田祭のガイドブックです。

ガイドブックですので、神田祭のガイド中心ですが、神田明神の歴史も描かれています。

何よりもビジュアルで読みやすいという特徴があります。

1級を受検される方には、これだけでは不十分でしょうが、入門書としては大変活用価値があります。

 神田明神に行けば、まだ入手できると思います。














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by wheatbaku | 2015-08-25 09:25 | 江戸の祭礼歳事 | Trackback
江戸検講座の最終講義開講!

昨日は、江戸検講座の最終講座が開講されました。

江戸検講座は参考図書「江戸の祭礼と歳事」をテキストとした全3回の講座ですが、昨日、最終講座が終了して、ほっとした気持ちでこのブログを書いています。


 昨日で、テキストの重要な所はすべて終了しましたが、受講される皆さんは。毎回に熱心に講義内容を聞いていただきましたので、講義する方も大変やりがいのある講座でした。

受講していただいた皆さん、ありがとうございました。


c0187004_16395524.jpg 昨日は「稲荷信仰」「講の隆盛」や「春夏秋冬の行事」を中心に講義させていただきました。

「江戸の祭礼と歳事」というお題では、寺社のお祭り、そして年中行事というイメージですが、テキストには、それ以上の幅広い内容が書かれています。

そのため、当初はテキストが思いがけない内容で戸惑った方もいたようです。

しかし、講義後の後の感想では、講義によってテキストの内容がわかるようになったというご意見をいただき、講義がお役にたったかなとうれしく思いました。


 

 講座では江戸検を受検される皆さんの交流も大事な目的の一つでした。

そのため、受講者同志の情報交換や、講義後の情報交換会をセットしましたが、講座も3回目になると、受講される皆さん同志もお互いがわかってきますので、休み時間には会話が大変はずんでいました。

これも大変うれしいことでした。


講義後は、いつも情報交換会ですが、今回は、翌日つまり本日が江戸検の夏検で、2級3級を受検される人がいて、この人たちはほとんどの人が欠席しましたので、参加者はいつもよりは少なくなりましたが、江戸の話に大いに盛り上がりました。

そして、あっという間に御開きの時間となりました。

そこで、最後の記念撮影です。

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by wheatbaku | 2015-08-23 16:11 | Trackback
生身魂 (江戸の祭礼と歳事)



 明日は、毎日文化センターの江戸検講座があります。

 今週は、その準備で追われていますが、その中で、東都歳事記も見ています。

しかし、8月は予想外に歳事が少ないですね。

 そこで、少し時期はずれますが、今日は「生身魂(いきみたま)」について書いていきます。


 江戸検講座の準備の中で、江戸検の参考図書の「江戸の祭礼と歳事」を読んでいますが、その夏の行事の中に「生身魂」というのがあり、その解説の中に、生魚を贈ると書いてあります。

 なぜ、生魚を贈るのだろうと思って調べました。

 今日は、その話です。


 生身魂について東都歳事記では、7月15日の項に次のように書いてあります。


 良賤生身魂の祝い(7月の盆に、亡者の霊魂来るよしを云いてまつるより移りて、現存の父母兄弟などの生身たまをいわう意なりとぞ)


 お盆は、亡くなった先祖の霊を供養するものですが、生身魂は、健全な両親に食べ物などを贈ってお祝いすることです。


 生身魂は、生きている親に対する一種の供養と考えられているようです。

 三省堂の「年中行事事典」には


 仏教がそのうちの死者の御魂供養に関与して仏事としての盆行事を成立させたのに対し、初秋の同じ時期に死者の穢れを離れ現存の親を拝して息災を祝う生身玉は、生き盆と称すべきものである


と書いてあります。


 つまり死者を供養する「お盆」と相対して、生きている人に対する「お盆」といっているように思われます。

 「江戸の祭礼と歳事」にも 「お盆に対応するものである」と書いてあります。


 死者の供養の際には、生臭いものを供えるのを控えるようにしますね。

 しかし、生身魂では、死者の供養でないことを特別に強調して、生臭物の代表である生魚を贈るということのようです。


 正岡子規の句に 「生身魂七十と申し達者也」 という句があります。

 今の時代に詠むとすれば、 「生身魂八十と申し達者也」 でしょうか。


 




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by wheatbaku | 2015-08-21 09:40 | 江戸の祭礼歳事 | Trackback
放生会(江戸の祭礼と歳事)



 旧暦の8月15日は、放生会(ほうじょうえ)でした。


  放生会については、前々から書こうと思っていたのですが、今週土曜日に江戸検講座があるため、その準備で忙しく、アップできませんでしたので、今日アップします。


放生会は、仏教の戒律である「不殺生戒」に従って、功徳を積むために、捕獲した魚や鳥獣を川や山野に放す行事です。

もともとは仏教の行事でしたが、日本では神仏習合によって神道にも取り入れられました。


 放生会は、八幡宮を中心に行われました。

宇佐神宮(大分県宇佐市)では、奈良時代初期にはすでに始められていました。

そして、京都の石清水八幡宮では、平安時代には勅祭として行われていました。


江戸では、富岡八幡宮の放生会が有名でした。

東都歳事記には、8月15日には富岡八幡宮をはじめ多くの八幡宮で「八幡宮祭礼」が行われましたが、その中で、各神社で放生会が行われていると次のように書かれています。



富賀岡八幡宮 別当永代寺  (略)

三田八幡宮  別当無量院 (中略) 当月(8月)10日に放生会を行う。

西ノ久保八幡宮 別当普門院 (中略) 今日放生会をなす。

市谷八幡宮  別当東円寺  今日放生会あり。

高田穴八幡宮 別当放生会寺 (中略) 毎年放生会  境内の放生池あり。

若宮八幡宮  別当普門院 牛込にあり。放生会を行い、境内にて踊りを崔す。

今戸八幡宮  別当松林院 今日放生会あり。宮戸川へ魚を放つ。

 東都歳事記では、富岡八幡宮についての放生会については書いてありませんが、「江府年行事」には放生会が行われていたことが書かれています。


江戸の各所の八幡宮で行われる放生会のため、放生会のための「放し亀」「放し鳥」「放し鰻」を売る露店がでたり、町中を「はなし鳥、はなし鳥」または「はなし亀、はなし亀」などと売り声をあげて売り歩く行商人もいたようです。

「放し鳥」はほとんどが雀だったようですし、「放し亀」は橋のたもとでも売られていたようです。


c0187004_09430446.jpgこの「放し亀」で有名な絵が、歌川広重の『名所江戸百景 深川万年橋』です。

万年橋は小名木川にかかる橋ですが、右の絵に大きく描かれているのが、放し亀です。
 橋の欄干の手前に置かれた桶に放し亀が
しばりつけられている絵です。

 描かれているのが深川万年橋ですから、富岡八幡宮での放生会のために売られていたのだと思われます。 

 ちなみに万年橋が取り上げられているのは、富岡八幡宮が近いという理由のほかに「鶴は千年、亀は万年」という洒落も効いているといわれています。
 








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by wheatbaku | 2015-08-20 09:28 | Trackback
吉原の俄(にわか) (江戸の祭礼と歳事)

 お盆休暇が終わり、ビジネスマンは今日から通常の会社勤めが始まりました。

 江戸検を受検される皆さんも、そろそろ本格的な受検勉強を始める時期になってきましたね。

 気分一新してこれから是非頑張ってください。

 さて、今日は吉原の「俄(にわか)」について書こうと思います。

以前、八朔」について書いた記事 「吉原の『秋の雪』または『八朔の雪』」 の中で、吉原の「俄(にわか)」について書きましたが、東都歳事記を読んでいましたら「俄」についての記述を見つけました。
 そこで、今日は、それを書いておこうと思います。

 以前は8月朔日の項だけを読んでいましたので、「秋の雪」しか書いてありませんでしたが、8月16日の項に 「俄」について書いてありました。

 書き上げると次のようになります。

 〇当月中頃より吉原町俄始まる。踊り邌物(ねりもの)等花美風流をこらし、9月中旬にいたる迄毎夜出す。にはかと唱ふる事その據(よりどころ)を知らず。

されど東都吉原に限りたる名にはあらす。
 『花街大全』に、この行事は九郎助稲荷の祭礼に始るという。

亦『むかしむかし物語』の付録に、「吉原の茶や桐や伊兵衛という者、歌舞伎役者の真似をこのみ、安永天明の頃にやありけん。ある日角丁中万字屋に居りける朋友をかたらひ、ふと思い付て狂言をこしらへ、中の町を往返しけるに、この日の遊客挙りて見物し、江戸中の噂となりしより次第に長じて、年毎のならはしとはなれり」といへり。なお尋ねべし。

 これによるとまず吉原の「俄」は九郎助稲荷の祭礼であるということになります。

 また、「俄」が始まったきっかけは、吉原の茶屋の桐や伊兵衛という歌舞伎役者の真似をするのが好きな人物が、安永天明の頃のある日、吉原の角町の中万字屋にいた友人たちを誘って、思い付いて狂言を作り、仲の町を練り歩いたところ、吉原のお客たちが揃って見物をして江戸中の評判となったので、次第に盛んとなって、毎年行わるようになったということのようです。

 「俄」は吉原の三大景容の一つですので、東都歳事記から引用して書いておきました。




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by wheatbaku | 2015-08-17 09:39 | 江戸の祭礼歳事 | Trackback
第7回「江戸の祭礼と歳事」模試正解


 今日は一昨日出題した模擬試験問題の正解をアップします。

 今回の問題は「祭りだわっしょい! 江戸の祭礼と歳事」と東都歳事記の天下祭の部分からだけ出題していますので、よく勉強している方は、確実に8割はとれるはずです。

 8割に達していない方は「祭りだわっしょい! 江戸の祭礼と歳事」を再度よく読んでみてください。

1、①天守の櫓 

「江戸の祭礼と歳事」P16に、家光は城内の櫓から見たと書いてあります。

 では、どこの櫓なのか調べてみましたら、赤坂日枝神社の社史である「日枝神社史」に、「天守の櫓」から見たと記載してありました。

2、③薬師堂  

「江戸の祭礼と歳事」P15の左上の挿絵の解説をよく読んでください。

 茅場町の薬師堂が御旅所となっていると書いてあります。

 また、本文の方には、山王権現の一の宮の国常立尊の本地仏が薬師如来だと書いてありますので、こちらからもわかると思います。

3、②2代秀忠  

 東都歳事記6月15日の項(平凡社東洋文庫版では2巻P112)に「大伝馬町鶏諫鼓の山しは、いにしへさるとりとて、一番にさる、二番に鶏の山しを渡しけるが、元和の頃かたじけなくも台命ありしより、鶏を一番に渡す事となりぬ。」と書いてあります。

 元和の頃の将軍は2代秀忠です。なお「台命(たいめい)」とは将軍の命令を意味します。

4、①吹貫型 

 これは結構難しかったかもしれません。

 毎日文化センターの江戸検講座では、山車の型の説明をしておきましたので、江戸検講座を受講している方はお分かりになったと思いますが、山車の型を勉強していない方には難しかったのではないかと思います。

しかし、「江戸の祭礼と歳事」P17の表を良く見ると1番に吹貫鶏太鼓と書いてありますので、気がついた方もいたかもしれません。

5、②目付 

「江戸の祭礼と歳事」P37に書いてありますので、「江戸の祭礼と歳事」をよく読んでいる方にはそれほど難しいことはなかったと思います。

6、③7代家継  

 「江戸の祭礼と歳事」P44に書いてありますので、これも難しくなかったと思います。

 根津権現は6代将軍家宣の産土神ですが、祭礼が行われたのは、家宣が死去した後でしたので、実際に祭礼をみたのは家宣の子つまり7代将軍家継ということになります。

7、③象 

 麹町の象は有名ですので多くの方が正解できたと思います。

 東都歳事記6月15日の山王祭についての記述の中に問題文が書かれていますので、正解しなかった方は東都歳事記6月15日の項(平凡社東洋文庫版では2巻P113)を読みなおしておいてください。

8、①町奉行所の与力・同心  

 御雇祭は、「江戸の祭礼と歳事」P33に書いてある通り、幕府が命じたもので、、当初はプロの独楽回しと太神楽が演じていました。プロの独楽回しというのは有名な松井源水です。

 この御雇祭がでた場合には、P38に書いてある通り、月番奉行所から与力と同心がでて、田安門(または半蔵門)で御徒目付に引き渡しました。

9、④祭礼が事前の取り決めどおり行われているかチェックするために作成された。

 祭礼番付というと綺麗な絵刷りのものをイメージしがちですが、本来は文字だけの味気ない物で、祭礼が滞りなく行われるための今でいうチェックリストであったわけです。

 それを絵草紙屋が工夫して絵入りのものにしたのです。

「江戸の祭礼と歳事」P30に詳しく書かれています。

10、②赤坂氷川神社祭礼 

 これもそれほど難しくなかったと思いますが、
東都歳事記6月15日の赤坂氷川神社祭礼の項(平凡社東洋文庫版では2巻P115)に「山王権現・神田明神に続きし大祭祀なり」と書かれていますので、確認しておいてください。






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by wheatbaku | 2015-08-14 11:05 | Trackback
第7回「江戸の祭礼と歳事」模擬試験


 「江戸の祭礼と歳事」に関する模擬試験問題は月1回出題することにしていますが、7月分は諸事情により出題していませんでしたので、本日出題します。

今回は、天下祭について、「祭りだわっしょい!江戸の祭礼と歳事」と「東都歳事記」から出題します。

もう江戸検を受けられる方は、天下祭については十分勉強されておいることと思いますので、8割以上をめざして挑戦してみてください。

正解および解説は8月14日にアップします。

1、山王祭を初めてみたのは元和元年の秀忠という説もありますが、一般的には寛永12年の3代将軍家光だと言われています。

 それでは、3代将軍家光は、どこで山王祭を見たでしょう?

 ①天守の櫓  ②上覧所  ③半蔵門  ④本丸御殿

2、江戸時代の山王祭では、神輿は茅場町の御旅所まで渡御し山王権現に戻ってきました。

 江戸名所図会では、ある仏様をお祀りした御堂が御旅所として描かれています。

それでは、御旅所とされた御堂は次のうちどれでしょう?

 御堂に祀られていた仏様は山王権現の一の宮の本地仏でもあります。

 ①釈迦堂  ②阿弥陀堂  ③薬師堂  ④不動堂

3、山王祭の1番の山車は大伝馬町の諫鼓鶏、2番は南伝馬町の猿と決まっていました。

 しかし、東都歳事記には、昔は1番が猿で2番が鶏であったものが、ある将軍の命により、鶏が1番に変わったとされています。

 それでは、東都歳事記に1番の山車を諫鼓鶏とするように命じたと書かれている将軍は誰でしょう?

 ①初代家康  ②2代秀忠  ③3代家光  ④4代家綱

c0187004_10021386.jpg4、「祭りだ!わっしょい 江戸の祭礼と歳事」によれば、天下祭に曳きだされた山車の型には、「吹貫型」「万度型」「笠鉾型」「江戸型」などがあるとされています。

 それでは、有名な大伝馬町の諫鼓鶏は何型だったでしょう?
 右図は、東都歳事記に載っている大伝馬町の諫鼓鶏です。

 ①吹貫型   ②万度型 
 ③笠鉾型   ④江戸型


5、山王祭と神田祭は、江戸城内に入り将軍の上覧に供することから天下祭とよばれました。
 この天下祭の山車が、半蔵門または田安門から江戸城内に入り竹橋門を出るまでの間、祭礼行列を取り締まったのは次のうちの誰でしょう?

 ①寺社奉行  ②目付   ③町奉行  ④大番頭

6、天下祭は通常山王祭と神田祭を指すとされています。

しかし、それ以外に一度だけ天下祭として執り行われた祭礼が正徳4年9月に行われた根津権現の祭礼です。

 根津権現の祭礼が天下祭として行われた際の将軍は誰でしょう?

 ①5代綱吉  ②6代家宣  ③7代家継  ④8代吉宗

7、〈 麹町より朝鮮人来朝のねりものにて、大いなる(  )の造りものを出しける事世に名高し。 〉

 これは、東都歳事記の山王祭についての記事の一部です。

 (  )に入るものは何でしょう?

 ①翁  ②猿  ③象  ④鬼

8、天下祭では、御雇祭として、独楽回しや大神楽が出されることがありました。

 この独楽回しや太神楽を江戸城外で取り締まったのは、次のうちどの人々でしょうか?

 ①町奉行所の与力・同心  ②徒目付と小人目付  

③当番氏子町の鳶     ④当番大名家の家臣

9、天下祭が行われる際には、「祭礼番付」が作成されました。この「祭礼番付」はどのように使用するために作成されたのでしょうか?

最も適切なものを選びなさい。

 ①天下祭を宣伝するため作成された。 

 ②見物人用のパンフレットとして作成された。

 ③江戸に出てきた人が地方へ持ち帰るお土産として作成された。

④祭礼が事前の取り決めどおり行われているかチェックするために作成された。

10、東都歳事記の中で「山王権現・神田明神に続きし大祭祀なり」と書かれている祭礼は次のうちどれでしょう?

 ①根津権現祭礼   ②赤坂氷川神社祭礼 
 ③浅草三社権現祭礼 ④富岡八幡宮祭礼







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by wheatbaku | 2015-08-12 09:52 | Trackback
  

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