「守貞謾稿」は、喜田川守貞により天保8年(1837年)に起稿され、嘉永6年(1853年)まで書き綴られた、江戸時代の風俗についての基本文献と言われています。
粽 京阪にては、男児生まれて初の端午には、親族および知音の方に粽を配り、2年目よりは柏餅を贈ること上巳の菱餅と戴(いただき)のごとし。粽は、餡に図のごとく(図は略)新粉を付け、その表を菰(まこも)の葉をもって包み蒸す。この粽は、菰を解き去り、砂糖を付けて食すなり。
柏餅 江戸にては、初年より柏餅を贈る。三都ともその製は、米の粉をねりて、円形扁平となし、2つ折となし、間に砂糖入り赤豆餡(あずきあん)を挟み、柏葉、大なるは1枚を2つ折にして、これを包む。小なるは2枚をもって包み蒸す。江戸にては、砂糖入り味噌をも餡にかえ交ゆるなり。赤豆餡には柏葉表を出し、味噌には裡(うら)を出して標(しるし)とす。
柏餅の様子は今のものと変わらないようですね。味噌餡はあまり見かけないようですが・・・