「花しょうぶ」はアヤメ科の植物で、「ノハナショウブ」が原種で、「花しょうぶ」は園芸品種です。「かきつばた」との区別は、葉の主脈が細いのが「かきつばた」、太いのが「花しょうぶ」です。
「花しょうぶ」の園芸化が始まったのは江戸時代中期といわれ、江戸、肥後、伊勢で改良が進み、それぞれ江戸系、肥後系、伊勢系と呼ばれる独特の系統が生まれました。
江戸系
江戸系は江戸で改良されたもので、花弁が3枚のものが多く、清楚な感じがします。上から眺めると花がきれいなので、庭園で群生させて鑑賞するのに良い品種です。 江戸後期の旗本松平左金吾定朝は、花菖蒲の改良に努め、その数は300品種余りになり、菖翁と通称されています。肥後系
肥後系は、江戸系をもとに、肥後でさらに改良されました。花弁が6枚のものが多く、男性的で力強く豪華な感じがします。室内での鑑賞にも向いています。江戸時代末期、肥後藩士により花菖蒲の改良栽培が進められました。
伊勢系
伊勢系は伊勢の松坂を中心に改良されたもので、花弁は深く垂れるものが多く、女性的な感じがします。鉢物などにして室内での鑑賞にもむきます。江戸末期紀州藩士によって改良され、伊勢松坂で普及した品種です。
「花しょうぶ」は、江戸時代から堀切の菖蒲園が有名でした。江戸切絵図にも、「堀切村百姓伊右エ門花菖蒲之名所ナリ」と書かれています。そして、歌川広重の「名所江戸百景」の中で「堀切の花菖蒲」として描かれるほど有名でした。
現在も堀切菖蒲園には、花しょうぶが約2百種6千株もあり、見ごろは6月の上旬~中旬ですので、これからが本番になります。
ところで、花しょうぶの花が咲いているのはわずか3日間しかないということご存知でしょうか。1日目に咲き始め、2日目に最も美しく咲き、3日目にはしぼみ始めてしまいます。花しょうぶの花の命は3日間しかないんです。

