一昨日、気象庁は、関東甲信、北陸、東北南部で梅雨入りしたとみられると発表しました。

関東甲信では平年より2日遅く、北陸・東北南部では平年並みの梅雨入りです。
そこで、今日は梅雨のお話です。
梅雨(ばいう)について、俳諧歳時記栞草は「四五月の中、梅黄ばみ落ちんとする時 … 蒸鬱(じょううつ)として雨ふる。これを梅雨といふ」と説明しています。
また「立春後135日、大概、黴雨とす。諸物黴(かび)腐る。」とも書いています。
大言海でも、梅雨(ばいう)について「梅の実、黄熟の候にて、黄梅雨の儀と云う。或いは云う、此候、衣物、皆黴(かび)を生ず。黴雨の儀なりと」書いています。梅雨の語源としては、二つの本とも、この時期は梅の実が熟す頃であることからつけられたという説とこの時期は湿度が高く黴(かび)が生えやすいことから「黴雨(ばいう)」と呼ばれるという説を挙げています。
また、 「つゆ」 については、大言海は「露けき時節の儀」と書いています。「つゆけし」とは「露の湿気の多くあり」と説明していますので、露が多い時期ということから「つゆ」となったということでしょう。
五月雨(さみだれ) という言葉もよく使われます。五月雨とは梅雨のことです。
俳諧歳時記栞草には、「五月雨 さつきあめ さみだれ さつき雨降るの略なり」と書かれています。
大言海でも、「さみだれ」は、「早水垂(さみだる)」という動詞の名詞形としてあり、「早水垂(さみだる)」という動詞の説明で「「さは五月の意味、水垂る(みだる)は雨降ること。即ち、五月雨降る義なり」と書いていますので、旧暦の五月に降る雨を「さみだれ」と呼んだということになります。
「五月雨」という季語で有名な俳句がいくつもありますが、非常に有名な句は次の句でしょう。
さみだれの 降り残してや 光堂 芭蕉
さみだれを あつめてはやし 最上川 芭蕉
さみだれや 大河を前に 家二軒 蕪村
「五月雨」という季語が使われているので、当然、梅雨の時期になります。そこで、芭蕉の句がいつ読まれたか「奥の細道」で確認してみました。
すると、
さみだれの降り残してや光堂 5月13日(今年の場合、6月5日)
さみだれをあつめてはやし最上川 5月29日(今年の場合、6月11日)
ということになりました。
まさに、今の時期に平泉や新庄を訪ねていたわけですから梅雨の時期ですね。

