昨日紹介した「和紙博物舗」からも「小津史料館」に行くことができます。
「小津史料館」は、伊勢松阪出身の小津清左衛門長弘が、承応2年(1653年)江戸大伝馬町(現在本社社屋の地)に紙商を開業して以来の小津家の史料を展示し公開し、小津家の歴史がわかるようになっています。
☆開館時間は10時~18時
☆入館料は無料です。
☆休館日は日曜日です。
小津清左衛門長広の紙商創業
小津和紙の創業者の小津清左衛門長広は、寛永元年に、伊勢松坂で生まれました。
19歳の時に、江戸に出て、大伝馬町の伝馬役で草分け名主の佐久間善八に奉公しました。
佐久間善八は紙商であり、ここに奉公して12年たった時、紙商井上仁左衛門が郷里に帰ることになり、店を譲る申し出がありました。
白羽の矢があたったのが長広です。しかし、店を買うには130両の資金が必要でした、そんな大金は長広にはありません。
困っている長弘を助けてくれたのが、同じ松坂出身で大伝馬町で木綿商を営んでいた小津三郎右衛門道休でした。(この小津三郎右衛門道休は、本居宣長の曽祖父にあたる人です。)
小津三郎右衛門道休は200両のお金を貸してくれるとともに小津屋の屋号と店の印のウロコキュウの使用も許してくれたのです。
史料館での展示物
史料館には、いろいろな史料が展示されていますが、その中で、主なものを紹介します。
江戸買物独案内(えどかいものひとりあんない)
江戸に不案内な人のためのガイドブックです。小津屋も載っています。
千両箱
小津清左衛門店が江戸時代に使用していた千両箱。
(大きさ) 幅47cm、高さ18cm、奥行15cm
意外にも千両箱が小さいので驚きました。
己卯(きぼう)一番組紙問屋の看板
明治12年に有力紙問屋が発起人となって設立された己卯(きぼう)組は、最初の和紙同業組合
温故知新
青淵老人(澁澤栄一)が小津の経営理念として特に書いたもの
澁澤栄一(1840-1931)は青淵と号し、明治・大正期の実業界を指導しました。小津グループは、澁澤栄一の偉大な人格を常に範として仰いでいるそうです。