「まゆみ」の木は、和紙の「楮紙(こうぞがみ)」の中で取り上げたばっかりでしたので、思わず写真を撮りました。
「まゆみ」は、ニシキギ科ニシキギ属の木です。
材質が強いうえによくしなる為、昔から弓の材料として知られ、まゆみという名前の由来になりました。
実物を見ると、本当にしっかりしていてかつしなやかな木だと実感します。
漢字では、「真弓」と書きます。「真弓」は、この木の名前であるとともにこの木で作られた弓のことや、弓の美称としても使われます。
また、まゆみという漢字は「檀」とも書きます。読みは「まゆみ」です。 まゆみという木は、弓の材料でもあるとともに紙の材料にもなりました。
このまゆみからできる紙は、「檀(まゆみ)」からできる紙ということで「檀紙(だんし)」と呼ばれるようになりました。後に、材料はまゆみから楮になりましたが、紙の名前は「檀紙(だんし)」のままでした。
檀紙(だんし)とは、縮緬状のしわを有する高級和紙で、平安時代以後、高級紙の代表とされ、中世には讃岐国・備中国・越前国が産地として知られていました。徳川将軍による朱印状も原則として檀紙が用いられていたのです。
その檀紙(だんし)の語源の元ととなる「まゆみ」を見つけ感激しました。
まゆみの花は、薄い緑で、四弁の小花が初夏に咲きます。
まゆみの実は、左の写真(「季節の花300」さんご提供)のように枝にぶら下がるようにしてつき、秋に熟すと果皮が四つに割れ、鮮烈な赤い種子が四つ現われるようです。
秋に、この果実と種子、紅葉を楽しむ庭木として親しまれ、盆栽に仕立てられることもあるそうです。
また、現在では、紙の材料としてではなく、印鑑や櫛の材料としても利用されています。
余談ですが、まゆみの新芽は、山菜としても利用され、天麩羅やおひたしなどに向くそうです。
帰ろうとして出口に向かった時に、事務所の脇で レンゲショウマという珍しい花を見つけました。
可憐な花でしたので写真に撮り、家に帰り図鑑で調べました。
レンゲショウマは太平洋側の山地の落葉林内に生えるキンポウゲ科の多年草で、細長い花茎を伸ばし、約3~4cmの下向きの花を付けます。
花が下から見上げるとハス(蓮)の花に、葉がサラシナショウマ(晒菜升麻)という植物に似ているので、レンゲショウマ(蓮華升麻)の名がつけられたといわれています。
鉢植えでしたので、百花園でいつもみられる訳ではないと思います。珍しい花を見ることができてラッキーでした。