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藤袴  (秋の七草 6 江戸の花)
秋の七草 6回目は 「藤袴(ふじばかま)」 です。

c0187004_17184192.jpg  藤袴(ふじばかま)は、夏~秋に、散房状に淡い紫紅色の小さな花をつけるキク科ヒヨドリバナ属の多年草です
 河原などの湿った場所を好みます。花は淡い紫色で、つぼみのときは紫がかった薄いピンクで、花が咲くと白っぽくなります。
 藤袴の名前の由来は、新井白石が書いた「東雅」に「その花淡紫色、藤といふ色に似て、その弁の筩(つつ)が袴に似たるところあれば藤袴といひし」とあるように、花の色が藤の花に似ていて、花弁の形が袴のようだからです。

【唯一の外来種】  
 秋の七草は、すべてが日本原産の花と思われがちですが、藤袴は唯一、中国原産です。c0187004_17152993.jpg 
 日本には上代に渡来したと推定され、『日本書紀』の允恭(いんぎょう)天皇紀の中に、藤袴が庭に植えられている場面が出てくるそうです。允恭(いんぎょう)天皇は、古墳時代の天皇ですので、その頃には庭に植えられていたことになります。
 そして、山上憶良の歌に秋の七草の一つとして詠まれていますので、奈良時代には、もう山野に自生していたことがわかります。
 しかし、万葉集で、藤袴が詠まれている歌は、残念ながら、「秋の七草」の歌だけです。
 源氏物語では、「藤袴」は、五十四帖の巻名の一つとなっています。

 【香りも楽しむ藤袴】  
 藤袴は、生のままでは香はありませんが、乾燥すると、桜餅の葉のような芳香を放つようになります。
 そのため、乾燥させた藤袴は香料としても用いられ、昔の女性は藤袴を香袋に入れ、十二単にしのばせていたようです。

c0187004_17231864.jpg 中国では古くは蘭(らん)とよばれ、紀元前の『易経』や『礼記』にその名はみえているそうです。
 江戸時代の貝原益軒は「花譜」の中で「もろこしの古書に、蘭といえるは、ふぢばかまの事なり」と書いています。
 「蘭」という名称は、現在ラン科の植物に使われますが、『楚辞(そじ)』(2世紀までに成立)には「蘭草大都似沢菊」(蘭草はだいたい沢菊に似る)」の記述があり、キク科の植物でした。
 それが現在のランと同名でよばれたのは、ともに芳香を有するからで、区別する場合は、フジバカマに蘭草、ランに蘭花をあてられました。キク科のフジバカマを指す蘭には、茎や葉に芳香があるため「草」がつけられ、ラン科の蘭には、花に芳香があるため「花」がつけられたそうです。

 【絶滅の危機に瀕する藤袴】 
 このような藤袴も、近年は、河川改修などによる環境の変化で減少し続け、環境省のレッドデータブックでは、「絶滅危惧<II>類(VU)  絶滅の危険が増大している種」に指定されて保護、保全の対象として扱われています。
 京都では、2007年、KBS京都が「守ろう!藤袴プロジェクト」を立ち上げ、KBS京都を中心としたキャンペーンがはられています。

c0187004_17155559.jpg  「藤袴」という名の植物が、観賞用として園芸店で入手でき庭にも好んで植えられますが、ほとんどの場合は、よく似た同属他種または藤袴との雑種である園芸種(藤袴とヒヨドリバナなどが交配したもの)などだそうです。
 藤袴に似た花には、 ヒヨドリバナ(鵯花) や、ヨツバヒヨドリ(四葉鵯)、サワヒヨドリ(澤鵯) などがあります。
 どれもよく似ていますが、見分けるには、フジバカマの葉は、上部で深く3裂し短い葉柄があり、互生することが他の花と異なっているそうです。

 
 秋の七草の最後になる 「桔梗」 は、明日アップします。
 なお、左側2枚の写真は季節の花300さんより転載させていただきました。
by wheatbaku | 2009-09-04 06:06 | 江戸の花と木

江戸や江戸検定についてに気ままに綴るブログ    (絵は広重の「隅田川水神の森真崎」)
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