柿の品種数は数が多く、1,000を超えるとも言われますが、大まかには、渋柿と甘柿とに分かれます。
渋柿は実が熟しても果肉が固いうちは渋が残る柿です。渋柿なんか市場に出ていないなんて思っていましたが、意外と渋柿が市場に出ています。
現在、柿の生産量が一番多い品種は、「富有」「平核無(ひらたねなし)」「刀根早生(とねわせ)」「次郎」の順なのですが、このうち、「平核無(ひらたねなし)」と「刀根早生(とねわせ)」が渋柿なんです。
【平核無(ひらたねなし)】
渋柿の代表的な品種は、「平核無」です。この字で「ひらたねなし」と読みます。
「種なし柿」としてよくスーパーで売られている品種です。
「平核無」は、新潟県では八珍(はっちん)、山形県では庄内柿、佐渡ではおけさ柿など、産地によって別名を持っています。
「平核無」の原産地は新潟県です。
原木は新潟県新潟市秋葉区(旧新津市)古田にあり、樹齢約300年、高さ16m、幹周り2mの巨木で県指定天然記念物となっています。
種のない柿であるということから、越後の七不思議に次いで八番目に不思議なものとして「八珍(はっちん)」と命名されたそうです。
庄内柿は、庄内藩家老酒井了明(のりあき)の次男の酒井調良(ちょうりょう)が、明治の中ごろ、友人が、越後の行商人から買った種がない不思議な柿を栽培し育成し産地化したものです。
おけさ柿は、昭和初期になって佐渡郡羽茂村の技術員が庄内柿の穂木を佐渡に導入し産地化したものです。
不完全渋柿ですが、出荷時に渋抜きを行うことで甘くなります。
果汁が多くてやわらかく、甘くてまろやかな口当たりで人気があります。形は、「平核無」の名前のとおり四角張った扁平な形をしています。10月中旬~11月頃に出回ります。
写真をみていただいてわかると思いますが 名前のごとく、種がありません。
【刀根早生(とねわせ)】
刀根早生(とねわせ)は、江戸時代に開発されたものではなく、昭和55年に登録された渋柿というごく最近にできた品種です。しかし、生産量3番目なので、少しコメントします。
刀根早生は平核無の枝変わり品種です。
奈良県で発見され、平核無より2週間程度早く収穫されます。
9月末~10月中旬にかけて、平核無に先駆けて出回る品種です。
昭和55年に登録された新しい渋柿ですが、生産量の伸びは著しいものがあります