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浅草橋門 (三十六見附 2)
  今日は「三十六見附」の初回として 「浅草橋門」 を紹介します。

【浅草橋門】 
 浅草橋門は、現在の浅草橋の南たもとにありました。
 下の浅草橋は北側から撮っていますので、橋の先にあったことになります。
浅草橋門 (三十六見附 2)_c0187004_2311499.jpg 浅草橋門は、奥州街道の出入り口の関門として、神田川が隅田川に流れ込む部分に建てられました。
 浅草橋門の浅草は、「浅草寺」の正面にあることから付けられた名前です。
 「浅草寺 見附で聞けば つきあたり」という句の通り、浅草見附(浅草橋門)の真北が浅草寺になります。
 門が建てられたのは、寛永13年(1636)で、門を構築したのは、越前藩主松平忠昌でした。
 開幕当時は、現在の常盤橋門が、浅草口と呼ばれましたが、この門が構築されてからは、浅草口の名前も、こちらに移りました。

浅草橋門 (三十六見附 2)_c0187004_2303381.jpg【浅草見附跡の碑】 
 浅草見附(浅草橋門)は橋の南側にありましたが、浅草見附跡の碑は、橋の北側に設置されています。
 ちなみに、浅草橋の南側は中央区で、北側は台東区です。
 碑だけ建っていて、説明板もないのがさびしいですね。

 浅草橋門の門外には高札場がありました。
 また、門内には郡代屋敷が置かれました。

 江戸の三大大火の一つである明暦の大火の時には、この門が閉じられたため、ここで2万3千人もの人が死亡するという惨事も起きています。


【江戸名所図会】 
 江戸名所図会には、門でなく浅草橋について次のように書かれています。
浅草橋
 神田川の下流、浅草御門の入口に架(わた)す。このところに御高札を建てられる。馬喰町より浅草への出口にして、千住への官道なり。
この東の大川口にかかる柳橋と号(なづ)く。柳原堤の末にあるゆえに名とするとぞ。

【柳橋】 
 ここに書かれている柳橋の現在の様子が下の写真です。
浅草橋門 (三十六見附 2)_c0187004_2314614.jpg 江戸時代中ごろまで、ここには橋がなく、渡船で往来していましたが、元禄10年に南町奉行所に架橋を願い出て、翌年の元禄11年に完成しました。

 明治維新後は、新橋とならぶ花街となりました。新橋は各藩からでて政府の役人になった人が利用したのに対して、柳橋は、江戸以来の商人や旗本が利用すること多かったようです。

浅草橋門 (三十六見附 2)_c0187004_1392444.jpg 右の写真の撮影時期は不明ですが、幕末から明治にかけての柳橋の写真です。
 柳橋の北側から隅田川方向に撮った写真です。
 手前が柳橋で奥にかすかに見えているのが両国橋です。

 この写真は、「長崎大学附属図書館所蔵」の写真です。
 長崎大学付属図書館のご厚意により「幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」から
画像を転載させていただいています。
by wheatbaku | 2009-10-29 06:25 | 三十六見附

江戸や江戸検定について気ままに綴るブログ    (絵は広重の「隅田川水神の森真崎」)
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