小石川後楽園については、近いうちに少し詳しくご案内します。
秋が深まってくると雁(がん、かり)が日本にやってきます。
【ガンもカリも語源は鳴き声】
大言海によると、カリのカは鳴き声で、リは添えた辞であり、音読みのガンも鳴き声であろうと説明しています。雁(がん、かり)とは、マガン、ヒシクイなどカモ科の大型の水鳥の総称で大きさはカモより大きく、ハクチョウより小さい。
雁は繁殖地のシベリアから日本に冬に渡ってきて、宮城県北部や石川県、島根県などで越冬します。
日本全国に約10万羽が飛来しますが、その9割は伊豆沼・内沼、蕪栗沼など宮城県北部の平野で越冬します。そのため、宮城県の県鳥となっています。上の写真はマガンです。
江戸時代、雁の狩猟は制限されていたようですが、 明治以降、雁は狩猟の対象となり、乱獲により生息数が大幅に減少しました。
そのため、1971年に国の天然記念物に指定され保護されるようになりました。
ガンには世界で15の種類があります。羽の色が茶色か白っぽいマガンの仲間が10種、体の羽に黒い部分の目立つコクガンの仲間が5種あり、このうち日本には主にマガンとヒシクイ、コクガンの3種が飛来します。警戒心は非常に強く、昼間は陸から離れた水場等で過ごし、薄明時や夕方に採食を行い、夜間は大きな水場の水面で休みます。
左の写真はヒシクイの亜種オオヒシクイです。
【雁は高級食材】
江戸時代には、雁は大変高級なご馳走とされ、「初雁」は宮中にも献上されたようです。
元禄8年(1695年)刊行された人見必大が著した『本朝食鑑』には、雁について次のように書かれています。なお、『鴈』は「雁」と同じ意味です。
『近世(ちかごろ)、江都の官鴈で、始めてとった鴈は初鴈という。先ず禁内に献上し 次に公侯百官に従って賜わる。公侯はこれを拝賜して大饗宴を設けるが、鴈の披(ひらき)という。
こういうわけで、わが国では、鶴、 鵠(クグイ)(白鳥のこと) に次いで鴈を賞するのである。鴻(ヒシクイ)・鴈は、関東の産を上品とし西国の産は美としない。』
これによると、江戸時代には、鶴やクグイと言われていた白鳥を食べていたことがわかります。 なお、鴻とはコウノトリではなく雁の仲間のヒシクイのことを言いますので注意してください。

