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雁 ② (江戸の鳥)
 江戸時代の近江堅田藩藩主の堀田正敦(まさあつ)が書いた「禽譜・観文禽譜」の中に、雁についてかなり詳しく書かれています。
 
雁 ② (江戸の鳥)_c0187004_15432676.jpg 堀田正敦(まさあつ)  
 堀田正敦は、佐倉藩堀田家分家にあたる近江堅田藩の藩主で、江戸幕府の若年寄を長く勤め、当時の老中松平定信の寛政の改革を助けました。
 仙台藩6代藩主伊達宗村の八男であったので、幼い9代藩主伊達周宗の後見役となったり、佐倉藩4代藩主の堀田正愛(ほった まさちか)が病気で政務が執れなくなると、その後見役も務めました。
 和漢の学識に富み、『寛政重修諸家譜』編纂の総裁を務めてもいます。また蘭学者を保護するなど学者を厚遇しています。
 また、『禽譜・観文禽譜』を編纂していて、江戸の鳥類学者でもありました。

『禽譜・観文禽譜』 
 このよな堀田正敦が自ら編纂した鳥類図鑑が『禽譜(きんぷ)』でその解説書が『観文禽譜』(かんぶんきんぷ)です。
 『禽譜』は俗に「堀田禽譜」と呼ばれています。
 堀田禽譜には、同時期に編纂された解説書『観文禽譜』の解説に対応する鳥類の図が収録されており、『観文禽譜』から抜粋された解説が付けられていることから、『観文禽譜』の図譜部であるとも考えられています。
 この「禽譜・観文禽譜」の解説書が、平凡社刊行の「江戸鳥類大図鑑」です。

 
 堀田正敦が雁について書いているおもしろい事柄を「江戸鳥類大図鑑」から次に抜粋します。

雁 ② (江戸の鳥)_c0187004_12243633.jpgシジュウカラガン   予が若い頃奥州にいて目撃したところでは、シジュウカラガンが甚だ多く、マガンがこれにつぎ、ハクガンはいたって稀で秋から春にかけてたまに見ることがある。・・・土地の人がいうところでは、先代の頃は、シジュウカラガンが稀であった。最近年々ハクガンが来ることが少なくなり、シジュウカラガンが多くなったとのこと
 右の写真がシジュカラガンですが、最近はあまり飛来しないようです。

友雁  狩り場で鷹が雁を捉えて落ちると友雁が集まって翼で鷹をうち、人が行くのが遅れるとその鷹が撃ち殺されることがある。また、弓や鉄砲で撃ち倒したときも。友雁が立ち去らず、打ち落とされた雁を翼で助け、傷が浅ければ、多数の羽の風で扇ぎ立て、ともに連れて飛び去らせる。

大黒屋光太夫   大黒屋光太夫が漂流後流れ着いたアミシーツカには雁が夏も冬もいて子も作っていたという話も載せています。
  
番 鳥  雁の群れが降りて採餌し、また江湖の岸に宿るとき、一羽だけ餌をとらずに見張りをする雁がいる。これを俗に番鳥という。

媒雁(オトリガン)  仙台では秋にまだ稲を刈らない時分に、荒原の堤などがある所や水辺の砂原をかたどり、その前に囮(オトリ)の雁3.4羽を繋ぎ、かつ囮雁の中で普段からよく馴れさせて友を誘うことを教えておいたものを携えて、これを籠の中に置いて、他の雁が来るのを待って放つ。放った時は遥かに飛んで一行に雑じり、他の雁がいたところに降りさせる。この時に鳥銃を持ったものが堤の陰に潜んで行き、これを発射する。その間隔は6~7間あるいは8~9間であり、一発で3~4羽を獲る。

 こうしてみると、 堀田正敦の博識に驚かされます。
by wheatbaku | 2009-11-14 11:45 | 江戸の鳥

江戸や江戸検定についてに気ままに綴るブログ    (絵は広重の「隅田川水神の森真崎」)
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