人気ブログランキング |
慈雲の泉(浅草寺ツアー⑭ 大江戸ツアー)
 浅草寺関連の記事が長くなりましたが、今日は、浅草寺に超有名人の彫刻でありながら、ほとんど知られていないという不思議な彫刻を紹介します。

 それは、 「慈雲の泉」という朝倉文夫の彫刻 です。
 右の写真が、その彫刻です。彫刻の前には「慈雲の泉 雲 朝倉文夫」と書かれたりっぱな碑もあるのですが、ほとんどの人が気がつきません。
慈雲の泉(浅草寺ツアー⑭ 大江戸ツアー)_c0187004_16375642.jpg ある場所はどこかというと本堂の西南です。
 本堂の西側で、影向堂などがある一画の南側に植込みがあります。その植込の中に設置されています。ここは、時々、本堂の西南側は、屋台が出ていますので、この屋台の影でみえなくなったりするので、一層気がつかないのかもしれません。

 雷門前の観光案内所で聞いても、案内の人が知りませんでした。また、浅草寺の寺務所を訪問して質問しても、すぐにはわかりませんでした。
 こんな状況なのがちょっぴりかわいそうな彫刻です。

 そこで、浅草寺教化部の五十嵐師にお聞きしました。
 この朝倉文夫の彫刻は、以前、本堂西南に噴水があり、その噴水の中に設置されていたものだそうです。五十嵐師は、浅草生まれの浅草育ちだそうですが、小さい頃に噴水があったことを覚えているとのことでした。
 その後、噴水は埋めたてられてしまい、現在の植込みになったようです。

【朝倉文夫作「雲」】
慈雲の泉(浅草寺ツアー⑭ 大江戸ツアー)_c0187004_1640251.jpg 「慈雲の泉」の彫刻(彫刻名は「雲」というようですが)をアップで撮ったものが右の写真です。
 お猿さんのような顔つきですが、多くの人々が雲に乗って、先を見つめている様子を描いたものだそうです。
  
 植込みをさがすと、銅像の西側に、噴水の建設について書いた碑文が、見つかりました。
 これを読むと、経緯がよくわかりますので、下段に全文載せておきます。


慈雲の泉(浅草寺ツアー⑭ 大江戸ツアー)_c0187004_8471166.jpg【高村光雲作「沙竭羅(さから)龍王像」】
 また、高村光雲の彫刻もあります。
 これは、本堂前のお水舎の八角形錆御影石造りの手水鉢の上にある沙竭羅(さから)龍王像です。
 こちらは、手水を使う時に顔をあげればすぐ気がつく場所にありますが、これが高村光雲作のものと気がつく人はすくないのでないでしょうか。
 沙竭羅(さから)龍王像は龍神で、かつて本堂裏にあった噴水に安置されていました。明治36年に作られたものです。
 この像に関して噴水が本堂の裏にもあったのか教化部の五十嵐師に尋ねましたら、以前は本堂の裏に噴水があったとのことでした。



【「賛慈雲の泉」の碑文】
 東京随一の名刹として廣く世に知られる金龍山浅草寺は 幾多の興廃消長の中に法灯連綿として今日に及ぶ  とくに往古に優る當山の隆昌は 大谷米太郎氏を会長とする浅草観光連盟の献身的努力に負うところ誠に多大である。
慈雲の泉(浅草寺ツアー⑭ 大江戸ツアー)_c0187004_16475667.jpg かねて上野 浅草の繁栄に意を注ぐ台東区長上條貢氏は 昨秋上野信用金庫理事長長野高一氏寄贈にかかる注誕噴水塔を上野公園入口に建設したが さらに此の度同氏より多額の浄財の寄託を受くるに及び浅草寺 浅草観光連盟と相計り庶民信仰の霊域たる此の地に噴水塔建設を発意す
 上條区長の委嘱により地元関係者を以て建設委員会が結成され 熟議検討の結果聖地に相応しき噴水塔の実現を期す 幸い彫塑家朝倉響子氏の好意により父君朝倉文夫先生の遺作「雲」の像の寄贈を受け これに近代的噴水を配して「慈雲の泉」と名づく
 朝倉文夫先生は 日本芸術界の巨匠たると共に我が台東区の名誉区民にして「雲」の像は明治41年壮年に至らんとする先生が未来への欣求を籠めた一代の傑作である
 「慈雲の泉」は蓋し 長野高一 朝倉響子両氏を始め多くの人々の美しき善意の結晶と云えよう 幸い此の聖地に融和し とこしえに庶民の街浅草の象徴として愛護されんことを祈念してここに讃を記す
  昭和40年9月吉日 慈雲の泉建設委員会
 
by wheatbaku | 2010-12-16 06:05 | 大江戸ツアー

江戸や江戸検定についてに気ままに綴るブログ    (絵は広重の「隅田川水神の森真崎」)
by 夢見る獏(バク)
プロフィールを見る
更新通知を受け取る
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
以前の記事
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
ブログパーツ
ブログジャンル
歴史
日々の出来事