今日は、多宝塔と鐘楼門をご案内します。
【多宝塔は寛永16年建立】
喜多院の境内に入ると、多宝塔が大変目立ちます。
整った形をしており、彩色も鮮やかです。そのため、この多宝塔が江戸時代に建立されたものと考える人はすくないのではにかと思います。
多宝塔は、寛永16年(1639)に建立されました。
建立当初は、現在では境内の外側になる山門と日枝神社の間にあった古墳の上に建立されました。
その後、老朽化が進んだため、明治43年(1910)に慈恵堂と庫裏玄関との渡り廊下中央部分に移築されています。
さらにその後、昭和48年(1973)に現在地に移し解体修理を実施し復元しました。
高さが13m、三間四方の大きさです。
埼玉県の有形文化財に指定されています。
【鐘楼門は重要文化財】
山門の脇に、鐘楼門があります。
一心に本堂を目指して歩いていくと見落としてしまう位置にあるので、あまり注目されないかもしれません。
しかし、この鐘楼門は、国の重要文化財に指定されている貴重な文化財です。
2階建ての階上に梵鐘がつるされています。
この鐘には元禄15年(1702)の銘があるそうです。
1階には袴腰(はかまごし)と呼ばれる囲いが付いています。
2階の前面には竜、背面には鷹の彫刻があります。
建立年代ははっきりとしていないそうです。
しかし、寛永10年(1633)に東照宮の門として鐘楼門が建立されたことが「星野山御建立記」の記録にみえるとのことであり、また、鐘楼門再建の記録もないということから寛永15年(1638)の川越大火で焼失を免れた可能性もあるといわれています。
この鐘楼門は国の重要文化財に指定されています。