茶ノ木神社は地元ではお茶ノ木様と呼ばれて親しまれています。
東京メトロ「水天宮」駅8番出口を出て徒歩1分です。
【元々は堀田家の邸内社】
茶ノ木神社にお祀りしてあるのはお稲荷様です。
江戸時代、この土地は、約3000坪もある下総佐倉藩堀田家の中屋敷でした。茶ノ木神社は、その守護神として祀られたものです。
神社のまわりに丸く刈り込まれた茶の木が植えられていて、それが大変素晴らしかったので茶ノ木神社と呼ばれようになったそうです。
その名にちなんで、現在のご社殿の周囲には、右下の写真のようにお茶の木が植えられています。
宮司さんはいませんが、地元の自治会の人が出て、ご朱印やスタンプの対応をしてくれていました。
【火伏せの神様】
そして、長いこと、お屋敷と周囲の町屋にも火災が起こらなかった為、いつの頃からか火伏せの神様と崇められるようになりました。そのため、堀田家では年一回初午(はつうま)祭の日だけ門を開いて、一般の人の参拝を自由にさせたそうです。
なお、初午は、2月の最初の午の日で、伏見稲荷神社の神様が初めて降り立った日とされており、各地の稲荷神社でお祭りが行われます。
数年前までは、茶ノ木神社は下町の住宅街の中に建つあまり目立たない神社でしたが、再開発ビルのリガーレ日本橋人形町が建設されるに伴って平成19年に建て替えられ、様変わりしました。
【布袋様】
茶ノ木神社にお祀りされている七福神は布袋様です。
布袋様は、七福神の中で唯一、実在のお坊さんがモデルとなった神様です。
モデルとなったこのお坊さんは契此(かいし)と呼ばれ、大きな太鼓腹で、いつも半裸でいました。
そして、大きな袋を持っていました。その大きな袋が布製であることから、布の袋すなわち布袋と名がついたようです。
元の時代の布袋和尚もモデルの一人とされることがあります。
この布袋和尚は、不思議な力を持っていました。
雪の中に臥しても身体が濡れなかったとか、人に吉凶を示すと必ずあたったとか、天気の晴雨を予知できたなどと言われています。
こうした布袋が七福神に加えられた理由は、大きな布の袋とふくよかな笑顔が大黒天と結びついたうえに悠々自適で楽天的な布袋和尚の生き方が当時の人たちに「至福」の象徴として受け入れられたという説があります。
また、布袋を弥勒菩薩の化身として信仰したとの説もあるようです
茶ノ木神社の布袋様はかわいい布袋様でした。右手にもっているのはお茶の葉かなと思いましたが、再度確認すると軍配のようでした。