【黒本尊は源氏の守り本尊】
安国殿の御本尊は阿弥陀如来です。 高さ2尺6寸の立像だそうです。
このご本尊は、昔は金色の仏像でしたが、長い間の香煙によって黒ずんだことから黒本尊というようになったそうです。
この像は、恵心僧都の作と伝えられているそうです。

この黒本尊の縁起について、増上寺の説明書には次のように書かれています。
そもそもこの仏様は清和源氏の守り本尊で、源義朝まで伝えられました。源義朝が亡くなったあと、平重盛がお守りし、その死後は平清盛の屋敷に移されました。
平清盛は、これが源氏のものであることを知り、常盤御前に与えました。常盤御前は、鞍馬にいた牛若丸の守り本尊とします。
牛若丸が義経と名のり陸奥に下るさいに、道中が長くなるので、三河の矢作の長者に預けました。長者は明眼寺を建立しこの御本尊とします。そして徳川家の崇拝を受けました。
時代が下り、徳川家康が一向一揆に苦しんだ際に、この御本尊に祈願し一揆をおさめたことから、家康は住職にこのご本尊を譲りわたすようお願いし、岡崎城にお迎えし、以後念持仏として、出陣時にも身辺に安置して念仏をかかさなかったそうです。
そして、江戸城入場の際して、増上寺に護国殿を建立しご本尊としました。
【黒本尊の御前立本尊】 黒本尊は、いつもは秘仏となっています。
そのため、日頃は御前立本尊を参拝します。
左の写真は、御前立本尊です。安国殿では、法要時以外は写真撮影を許してくれますので、法要が終了してから撮らさせていただきました。
黒本尊は、1月、5月、9月いわゆる「正・五・九(しょうごく)」の15日に開帳されます。
黒本尊のご利益の筆頭は、「勝運(かちうん)」です。
「勝運」とは「物事全般が勝(すぐ)れた方向に運ぶ」という意味だそうです。従って、勝負に勝つことだけでなく、あらゆることが良い方向になることにご利益があるということになります。

