【黒漆喰なので黒門】
三解脱門の南側にある門を「黒門」といいます。全体が黒漆塗であったため「黒門」とも呼ばれています。高さ8mの四脚門です。
建立当時、増上寺の主要伽藍はすべて漆塗されていましたが、三解脱門などの朱塗の建物との対照がきわだち、壮観であったろうと言われています。
この門は、元は増上寺の方丈の表門でした。方丈というのは住職が執務をとる場所です。
増上寺の方丈は、御成門交差点付近の現在、芝公園・みなと図書館・御成門小学校一帯にあったそうです。
この黒門の建立の時期はハッキリしていませんが、慶安年間(1648~1652)頃の建立だろうとされております。
明治時代に増上寺方丈が北海道開拓使となり、その後海軍施設と芝公園となった時に、鐘楼堂脇に移築されましたが、その後昭和55年に現在地に移築されました。
上の写真は境内側かた撮ったものです。
【景光殿(旧広書院)表門】
本堂の裏手(西側)にある景光殿の正面に位置し、石段を登った先にあります。、
現在地に移築されたのは、新書院建設時の昭和53年だそうですが、この門の建立当初の位置は不明とのことです。
主柱には両側に壁が取り付けられていた痕跡がありますが、現在は門だけが単独で建っています。
鬼瓦と留蓋〈とめふた〉瓦にも葵紋がついていました。
この門をくぐった先に、前回紹介した和宮ゆかりの茶室「貞恭庵」があります。