【鮮やかな赤い花】
ヒカンザクラは、昔は、「緋寒桜(ヒカンザクラ)」と呼ばれていましたが、「彼岸桜(ヒガンザクラ)」とまちがわれやすいことから、現在の「寒緋桜(カンヒザクラ)」と呼ばれるようになりました。
花は、葉が出る前に、濃い赤色で、鐘状に半開して下を向いて咲くのが特徴です。
【沖縄ではメインの桜】
カンヒザクラは中国南部、台湾に自生している桜です。
日本国内では、園芸種とされていますが、沖縄石垣島に自生しています。
寒さに弱いため関東以南でしか栽培されていません。
カンヒザクラは、沖縄では1月下旬に開花します。日本で一番早く咲く桜です。
沖縄で「桜」と言えばこのカンヒザクラを指します。
また、沖縄や奄美でのサクラの開花予想及び開花宣言はこのカンヒザクラの開花に対して発表されます。
石垣島の新川周辺が日本では唯一の自生地です。
そして、そこは国の天然記念物に指定されています。
【河津桜はカンヒザクラとオオシマzクラの交配種】
早咲きの桜として「河津桜」があります。
この河津桜は、ヒカンザクラとオオシマザクラの自然交配種といわれています。
河津桜は、河津町に原木(右写真)があり、毎年花を咲かせます。
この桜は、昭和30年頃、河津町の飯田勝美氏が、河津川沿いで芽吹いていた約1メートル位に育った桜の若木を偶然見つけて庭先に植えました。約10年後の昭和41年1月下旬、やっと花が咲き始めました。
当時、この家の屋号からこの桜は「小峰桜」と呼ばれていましたが、その後の調査で新種の桜とわかり
昭和49年に河津で生まれた桜であることから「河津桜」と命名され、昭和50年4月河津町の木に指定されました。
原木の大きさは 、高さ約10メートル、太さ約115センチメートルあるそうです。