東京電力がオール電化を進めたため、この3年間で、原子力発電所2基分の電力が必要となったそうです。
電力需要が伸びたため、計画停電を実施せざるをえなくったという面もあるようです。
オール電化の家庭では、「今までは、火が出なくて安心だと思っていたようでうsがが、思いもかけず、生活に困ることになってしまった。」とぼやく人もいました。
【江戸では大量の薪炭を消費】
江戸時代は、電気もガスもありません。
江戸時代の主な燃料は薪と炭すなわち薪炭でした。
これらを使用して、竈や七輪を使い、煮炊きをしていました。
江戸に入る薪や炭は、江戸周辺の産地から運ばれました。
幕末の資料では、武蔵、相模、上野、下野、上総、下総など12カ国が載っているそうです。
江戸に入荷する炭の量は、享保11年(1726)に約81万表だったものが、約100年後の天保11年 (1840)ごろには238万表と約3倍にも増加しています。
【薪炭の供給元は武蔵野雑木林】
薪炭は、江戸周辺から調達しましたが、もっと多いのが江戸郊外の武蔵野の雑木林でした。
武蔵野の雑木林を供給源と活用していましたが、 江戸の人口は100万人でしたから 江戸の主燃料に、木炭や薪を利用したら、森林が破壊されるのではないかと心配する声もあると思います。
しかし、江戸時代は、環境に大きな影響を与えずに薪炭を確保しました。
武蔵野の雑木林は原生林ではなく、18世紀になって植林した人工林でした。
それ以前の武蔵野は、ススキの原でした。そこへ開墾した農民は、堆肥を作るための「葉」を得るために落葉樹を植えました。それから、武蔵野に雑木林が広がりました。
その雑木林を利用して薪炭を確保したのでした。
【自然破壊せずに調達する仕組み】
クヌギやナラなどの木は、植林後15~20年間ほどはとても成長が早い木ですが、 30年以上経つと成長が遅くなります。
そこで、伐採をするわけですが、 雑木林を伐採する時に、根元から伐採せずに、ある程度株を残して切り倒します。
こうすれば、根が残っているので、すぐに切り口から発芽し、成長をはじめます。
この木を「ひこばえ」といいます。
そのヒコバエのうち、丈夫なヒコバエを残しておけばわずか10年ほどで立派な木になります。
こうすることにより、短期間で雑木林が復活しますので、環境に大きな影響をあたえることはなかったようです。
江戸時代は、原子力もなく火力もない中で、自然も破壊せずに100万人の人々が暮らしていました。