【ソメイヨシノの遺伝子はすべて同じ】
ソメイヨシノは種子では増えません。全国にあるソメイヨシノはすべて人の手で接木(つぎき)などで増やしたものです。
いまの言葉で言うとソメイヨシノは、クローン植物なのです。クローンという言葉は、あまり良い印象がありませんが、科学技術庁の説明では、次のように書かれています。
「クローンという言葉の語源は、ギリシャ語で「K l on =小枝」ですが、現在で は「遺伝的に同一である個体や細胞(の集合)」を指す生物学の用語として使わ れています。クローン羊やクローン牛とは、お互いに全く同じ遺伝子組成を持 った複数の羊や牛を指します。」
つまり、まったく同じ遺伝子を持っている生物をクローンといいます。
そして、つい最近の平成23年3月8日には森林総合研究所が国立遺伝学研究所と共同で、「もっとも有名な栽培品種の染井吉野は、従来から単一クローンが通説となっていましたが、各地から収集されていたものが同一クローンであることが確認されました」と発表しました。
つまり、全国にある総てのソメイヨシノの遺伝子が同じである ということが学術的に立証されたわけです。
これは、別の言葉でいえば、全国のソメイヨシノは一本の原木から、次々と挿し木などによって、増やされたものとも言えるということだと思います。
ソメイヨシノと同様にヤエベニシダレとミクルマガエシも単一クローンだそうです。

【桜前線とは】
このソメイヨシノがクローンであることを利用したのが桜前線です。
桜前線は、桜の開花予想日をつないだものです。本州では、桜はソメイヨシノが対象となります。ソメイヨシノはクローン植物であるため、遺伝子が同じですので、一定の気象条件のもとでは、ソメイヨシノ全てがほぼ一斉に開花します。
この性質を利用して、開花の予想することが可能となり桜前線が発表されています。
平成21年までは、気象庁が発表していましたが、平成22年からは、日本気象協会、ウェザーニューズ、ウェザーマップの民間3社がそれぞれ独自に発表しています。

