「酒悦」さんは、上野駅からは5分、東京メトロの「上野広小路」駅A4出口から2分です。
鈴本演芸場のとなりにあります。
【創業以来350年の老舗】
「酒悦」さんの創業は1675年(延宝3年)です。江戸時代のはじめになります。
創業以来350年ほどになります。
「酒悦」創業者の初代「野田清右衛門」は伊勢山田の出身で山田屋と号し本郷元町に店を構えました。
やがて店を上野池之端に移し「うに」「このわた」等の珍味類などを扱い、上野近辺にある寺々に出入りしました。
こうしたなかで、寛永寺のご住職の輪王寺宮が大変高く評価し「酒悦」と名づけてくれたそうです。
【福神漬けの元祖】
「酒悦」といえば、福神漬けの考案で有名です。
「福神漬」を考案したのは、15代目の野田清右衛門だそうです。
「福神漬」は明治10年頃発明しましたが。野田清右衛門の苦労した処は塩漬しかなかったそれまでの漬物を醤油を使ったものにすることだったそうです。
彼は日夜蔵にこもり3回漬けする等工夫をし、みりんを加え満足出来る醤油漬にするまで約10年もかかりました。
【福神漬けの由来】
「福神漬」の原料は、7種の野菜、大根、茄子、蕪、うり、しそ、蓮根、刀豆(なたまめ)が入っています。
「福神漬」の名前の由来は、原料が7種の野菜であることから七福神に因んで名付けられと言われています。
又、別の説によると「福神漬」は大変美味なので他におかずがいらず知らず知らずの内にお金がたまる縁起の良い漬物だ。福の神も一緒につけてあるのだろうと「福神漬」と呼ばれる様になったという説もあると「酒悦」さんで教えてもらいました。
「福神漬」が全国的に有名になったのは日清・日露戦争で兵隊の携帯食として使われてからです。
【カレーの添え物はヨーロッパ航路から】
今では、福神漬けは、カレーライスに欠かせないものとなっています。
我が家でも、カレーの時には、福神漬けが必ず出てきます。
こうなった由来についても、「酒悦」さんに教えてもらいました。
福神漬がカレーライスに添えられる様になったのは帝国ホテル、又は資生堂パーラーが最初であると言う説も有ります。
しかし、事実は明治35年から36年頃日本郵船のヨーロッパ航路の船の食堂が最初だったようです。一等船室のみに「福神漬」を添え、二・三等はたくあんだったとの事です。
【2種類の福神漬け】
福神漬けには、「昔ながらの福神漬け」「元祖福神漬け」と名付けられたものと「特選福神漬け」との2種類がありました。
「昔ながらの福神漬け」「元祖福神漬け」は、名前の通り、酒悦の昔ながらの味に仕上げた福神漬けだそうです。
こちらを買いましたが、塩分は多少きつめですが、味はしっかりしていました。
一方、「特選福神漬け」は、昔ながらの味をやや甘口にしたタイプだそうです。
【季節の漬物2種類】
「酒悦」さんでは、珍しい季節の漬物も売っていました。
上が「キャベツの浅漬け」です。
これを買ってみました。
なかなかおいしいものでした。
こちらも珍しい「かぼちゃの浅漬け」です。
「かぼちゃの浅漬け」がどんな味がするのか、老舗めぐりに参加された皆さんも興味津々でした。
赤印が酒悦さんです。