「国際子ども図書館」とはどこにあるんだろうと多くの人が考えると思いますが、「国際子ども図書館」は国立博物館の西側にあります。(下の地図参照してください)
【元は帝国図書館】
国際子ども図書館は、平成12年に日本初の児童書専門の国立図書館として設立されました。
国際子ども図書館の設立は、最近ですが、使用している建物は歴史があります。
国際子ども図書館の建物は、もともと明治39年に帝国図書館として建てられ、昭和4年に増築された建物を利用したものです。
戦後、帝国図書館は国立図書館と名称が変わり、昭和23年に国立国会図書館が創設されて、その支部図書館となってからは平成10年まで支部上野図書館の施設として使用されました。
この建物はルネサンス様式を取り入れた明治の洋風建築の代表作のひとつで、久留正道により設計されました。東京都選定歴史的建造物に指定されています。
当初は、もっと大規模の建物にする予定でしたが、日露戦争がはじまったため、第1期工事分つまり最初の計画の3分の一が完成した状態のままで中止となってしまったそうです。
その後、昭和4年に増築され、平成になって、 国際子ども図書館に転用されるにあたり安藤忠雄氏の設計により改修が行われ、東側にガラスのエントランスが、西側にはカフェテラスが付け加えられました。
カフェテラス(上写真)は誰でも自由に利用することができ、上野公園散歩の際の隠れた休息所になっています。
【小泉八雲記念碑】
国際子ども図書館の前庭に「小泉八雲記念碑」があります。
この記念碑は、小泉八雲の東京帝国大学時代の教え子であった詩人の土井晩翠が、結核のため23歳でなくなった長男英一の遺言に基づいて、小泉八雲を偲んで建てたものだそうです。昭和10年に建てられました。
碑は八雲の肖像のレリーフを正面をはめ込み、上部に壷を囲む天使達の群像がいる噴水になっています。、両脇には「文盡人情美」「筆開皇國華」という言葉が刻まれています。
そして、裏面には、小泉八雲の略歴を書いたあと
「先生ヲ景仰セル土井英一ノ遺言ニ因リ父林吉松本喜一ト相謀リテ此記念碑ヲ帝国図書館ニ建ツ」
と、土井晩翠の長男の土井英一に遺言に基づいて、父の土井林吉が記念碑を建てた旨が刻まれています。林吉(りんきち)とは土井晩翠の本名です。