【奏楽堂は旧東京音楽学校の本館】
奏楽堂は、東京都美術館の北側にあります。上野駅から徒歩10分程度です。
旧東京音楽学校奏楽堂は、明治23年に東京音楽学校(現東京芸術大学)本館として建設されました。
,文部省技官であった山口半六、久留正道が設計しました。
建物中央に、わが国初の本格的な音楽ホールがあり、左右に教室棟がありました。
中央天井をヴォールト状(かまぼこ型)に高くし、視覚、排気、音響上の配慮がなされている。また、壁面や床下に藁や大鋸屑が詰められ、遮音効果をあげるなど技術的な工夫がされているそうです。
【奏楽堂の保存運動】
この奏楽堂からは、滝廉太郎、山田耕作を初めとする多くの音楽家を世に送り出してきました。 が、老朽化が進み、戦後40年頃に解体されそうになりました。
その時に、音楽関係者や建築史家を始めとする多くの人々が保存運動を起こし、昭和49年に明治村に移転し保存すると東京芸術大学で決めました。
しかし、この保存案について反対意見があり、最終的に音楽学校近くの現在の地に保存することとなり、昭和62年3月、移築復元されました。この際に、音楽教室棟が削られました。
また、移築工事とあわせて、日本唯一の空気式パイプオルガンも復元されているそうです。
この奏楽堂は昭和63年に国の重要文化財に指定されています。