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吉村寅太郎寓居跡(京都幕末史跡めぐり)
 昨日の武市半平太の寓居跡の南隣に、「吉村寅太郎寓居跡」の碑があります。
 右下の写真を見ていただければすぐ隣ということがわかると思います。
 左側が昨日紹介した「武市瑞山先生寓居之跡」碑です。そのすぐ隣にある碑は「ちりめん洋服発祥の地」の碑です。その右の竹の植え込みの中に「吉村寅太郎寓居跡」碑があります。

【天誅組を組織した吉村寅太郎】  
 吉村寅太郎は、土佐国高岡郡津野山郷芳生野村(よしうのむら、現高知県津野町)の庄屋の長男として生まれました。
吉村寅太郎寓居跡(京都幕末史跡めぐり)_c0187004_17342026.jpg  若い頃から各地の庄屋を歴任し、安政4年(1857)には津野山郷檮原(ゆすはら)村の大庄屋になっています。
 この間、安積艮斎(あさかごんさい)の塾頭であった間崎哲馬(まさきてつま)らに師事し、その後文久元年(1861)武市半平太が結成した土佐勤王党に参加しました。
 文久2年(1862)には、武市半平太の密命を帯びて長州藩の久坂玄瑞を訪ねています。そして、九州で伏見挙兵計画の情報を得て土佐に帰郷し、情勢の切迫に激して、3月6日に脱藩してしまいます。 同じ時期に、坂本龍馬も脱藩しています。
 そして、同年4月におきた寺田屋事件に関係し捕らえられ土佐に送還されて牢にいれられます。
 しかし、翌文久3年2月出獄し、再度上京します。この2回目に上京した際に、木屋町に住んだようです。
 文久3年8月、大和行幸の勅掟が発せらたのを機に、前侍従中山忠光を擁して、松本謙三郎らともにと大和に挙兵し、五条代官所を襲撃しました。これが「天誅組の変」です。
 しかし、8月18日の政変で、朝廷から尊王攘夷派は一気に駆逐され、天誅組も諸藩から攻められ苦しめられました。
 そして、吉村寅太郎は9月27日鷲家口(わしかぐち)の戦いで戦死しました。年は27歳でした。

【土佐四天王の一人】  
 江戸検定1級と京都検定1級合格者のOさんから、吉村寅太郎について次のようなコメントをもらいました。
吉村寅太郎寓居跡(京都幕末史跡めぐり)_c0187004_17344541.jpg  「吉村寅太郎は,京都では武市半平太の住居である丹虎(現在の金茶寮)の隣に寓居し,武市や中山忠光卿らと義挙の画策をしていました.しかし,八月十八日の政変によってむなしく失敗し,高取城攻略の折り,身方の銃弾で負傷,
 その後,奮戦むなしくかの地で没します.当地ではその後住民が「残念大将(敵の銃弾にあたって,最後の言葉が残念!だった,という)」といって大切に祀りました.首は京都に運ばれ,洛西の仕置場(現在の円町の北,二条城の西)に葬られますが,明治になり,弟の狂次郎が掘り出し,霊山護国神社に改葬しました。荒涼とした仕置場では,瓦に名前
が書いてあり,その下に首が塩着けにされて,まるで生けるがごときであったようです。
掘り出しに当たっては,それより先に同じく没した那須信吾の首を甥の田中光顕が掘り出しました。
 嵯峨野の落柿舎の向かい側に,土佐四天王として,武市瑞山,坂本龍馬,中岡慎太郎,吉村寅太郎が並んだ銅像があります。
正に,吉村寅太郎は平野国臣,有馬新七らとともに維新の三快男児です」
 Oさん ありがとうござます。

【桜井寺山門】  
吉村寅太郎寓居跡(京都幕末史跡めぐり)_c0187004_1314167.jpg ところで、天誅組が、本陣としたのが、現在の奈良県五条市にある桜井寺というお寺です。この桜井寺の山門が、埼玉県所沢市の狭山不動寺にあります。
 この狭山不動寺は、堤康次郎が建立したお寺です。、戦災を免れた増上寺の台徳院霊廟の勅額門などが保存されていることで有名なお寺です。
 この不動寺の裏門として、桜井門が置かれています。
 そして、その門には、「天誅組本陣」と書かれた札が現在も掲げられています。
by wheatbaku | 2011-08-25 13:10 | 京都幕末史跡めぐり

江戸や江戸検定について気ままに綴るブログ    (絵は広重の「隅田川水神の森真崎」)
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