徳川実紀は、江戸幕府の初代将軍徳川家康から10代将軍家治までの将軍の記録です。
編纂作業は、儒学者の林述斎が統括し、奥儒者の成島司直(なるしまもとなお)が編纂主任となって行われました。
文化6年(1823)に始まり嘉永2年(1849)に完成しました。将軍ごとの諡号を題名とし、徳川家康について記した「東照宮御実紀」、2代将軍徳川秀忠について記した「台徳院御実紀」から10代将軍徳川家治について記した「浚明院御実紀」まであります。
「徳川実紀」というのは、通称とされています。
将軍一代ごとの言行や逸話は付録として別に記されました。
各将軍ごとの本編と付録の構成は次のようです。
初代徳川家康 東照宮御実紀 本編10冊 付録25冊
2代徳川秀忠 台徳院御実紀 本編60冊 付録5冊
3代徳川家光 大 院御実紀 本編80冊 付録6冊
4代徳川家綱 厳有院御実紀 本編60冊 付録2冊
5代徳川綱吉 常憲院御実紀 本編59冊 付録3冊
6代徳川家宣 文昭院御実紀 本編15冊 付録2冊
7代徳川家継 有章院御実紀 本編15冊 付録1冊
8代徳川吉宗 有徳院御実紀 本編62冊 付録20冊
9代徳川家重 惇信院御実紀 本編31冊 付録1冊
10代徳川家治 浚明院御実紀 本編55冊 付録3冊
これを見ると、徳川家康の付録が25冊、吉宗の付録が20冊となっていますので、言行録や逸話は、徳川家康と徳川吉宗が圧倒的に多いということになります。
11代将軍以降の編纂も継続されましたが、江戸幕府の崩壊のため、未完のまま編纂作業が終わってしまいました。
これが「続徳川実紀」です。
「続徳川実紀」の構成は次のようになっています。
11代徳川家斉 文恭院御実紀 本編72冊 付録5冊
12代徳川家慶 慎徳院御実紀 天保8年4月~嘉永6年9月
13代徳川家定 温恭院御実紀 嘉永6年7月~安政5年8月
14代徳川家茂 昭徳院御実紀 安政5年8月~慶応2年9月
15代徳川慶喜 慶喜公御実紀 慶応2年8月~明治元年閏4月
「続徳川御実紀」では、11代徳川家斉の「文恭院御実紀」だけは、「徳川御実紀」と同じ体裁をしていますが、12代将軍徳川家慶以降の御実紀は、史料を並べただけの史料集の形態をしているそうです。
明日から、「現代語訳徳川実紀 家康公伝1」の中で、なるほどと思った部分を順に書いていきます。

