十八松平 （徳川実紀 徳川将軍１５代）

今日は、十八松平について書いていきます。

　「十八松平」は「松平一族」を表わす通称です。
　「十八松平」とは、徳川家の一族である「松平家」が全部で十八家あると言われていたことによるものです。
　しかし、「寛政重修諸家譜」では十四家ないし十六家だけが確認されていると言います。
　江戸文化歴史検定１級のテキストである「博覧強記」でも、以下の①から⑭までの十四松平がはっきりしていると書いています。

【３代 信光 時代の分家】
①竹谷（たけのや）松平家　　守家（長男）が創設　（交代寄合）
②形原（かたはら）松平家　　与副（ともすけ四男）が創設 -（丹波亀山藩）
　　※石川松平家　形原松平家４代家広の次男家房が創設　2代で断絶
③大草松平家　　光重（五男）が創設 -（断絶）
④五井松平家　　忠景（七男） 　が創設-（交代寄合）
⑤深溝（ふこうず）松平家　　忠定（忠景の次男）が創設 - 肥前島原藩
⑥能見（のみ）松平家　光親（八男）が創設 -（豊後杵築藩）
⑦長沢松平家　親則（十一男が創設） -（断絶）
※長沢松平家が断絶した後を継いだのが大河内松平家（三河吉田藩、大多喜藩、高崎藩）

【４代 親忠 時代の分家】
⑧大給（おぎゅう）松平家　乗元（次男） -（三河西尾藩、美濃岩村藩、豊後府内藩、信濃田野口藩、上野小幡藩頭）
　※宮石松平家　乗元の庶子乗次が創設　 （旗本）
⑨滝脇松平家　　乗清（九男） -（駿河小島藩、旗本）

【５代 長親 時代の分家】
⑩福釜（ふかま）松平家　親盛（次男）が創設 -（旗本
⑪桜井松平家　信定（三男）が創設 -（摂津尼崎藩（諸大夫筆頭）、旗本）
⑫東条松平家　義春（四男）が創設 -（尾張清洲藩断絶）
⑬藤井松平家　利長（五男）が創設　-（出羽上山藩、信濃上田藩、旗本）

【６代 信忠 時代の分家】
⑭三木（みつぎ）松平家　信孝（次男）が創設-（旗本）
※鵜殿（うどの）松平家　康孝（三男）が創設- しかし一代で断絶

　徳川実紀には、十四松平の他に、４代親忠の六男親光が西福釜（にしふかま）松平を創設と書かれています。

以上から、十八松平についてまとめると
①十八松平と言われている家柄は、松平氏の３代から６代までの松平家惣領の子供が創設した惣領家の分家です。
②松平の前に付いている名前はすべて各家が支配していた地名です。
③寛政重修諸家譜編纂の時には、3代信光の子供から七家、４代親忠の子供から二家、５代長親の子供から四家、６代信忠の子供から一家、合計十四家だけとされた。そのため「十四松平」と呼ばれました。
④「十四松平」に、形原松平の分家石川松平家と大給松平家の分家宮石松平家を松平一族に含めた場合「十六松平」と呼ばれました。