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玉ひで (江戸の老舗の味)
 軍鶏鍋料理の「玉ひで」に昨日行ってきました。
 「玉ひで」さんは親子丼の発祥の店として有名で、行列のできる店としても有名です。
 昼時に何回行っても長い行列なのであきらめていましたので、なかなか紹介できませんでしたが、昨日は夜の部に行ってきました。そこで、ようやく紹介できます。

 「玉ひで」さんは東京メトロ日比谷線「人形町」駅A2蕃出口から1分です。甘酒横丁の反対側にあります。
玉ひで (江戸の老舗の味)_c0187004_232519100.jpg 「玉ひで」さんは、創業当時の屋号は「玉鐵(たまてつ)」でした。
 宝暦10年(1760)鷹匠の家に生まれた初代山田鐵右衛門が妻たまと一緒に現在のお店より北側になる日本橋人形町三丁目で「御鷹匠仕事」の店「玉鑯(てつ)」として創業したのでした。
  「御鷹匠仕事」というのは、将軍家の御前で鶴を切る儀式に由来する包丁さばきで、初代鐵右衛門は特定のお客様だけを対象にしていたようです。
 幕末の頃になって、3代目鐡之助が、4代目善次郎とともに軍鶏なべ専門の店としました。
玉ひで (江戸の老舗の味)_c0187004_2353416.jpg 明治16年には、 現在の地、日本橋人形町一丁目17番10号(当時蛎殻町二丁目14番地)に支店を出し、「蛎殻町『玉鑯』」として営業しました。この支店を任されたのが「山田秀吉」でした。
 明治30年に 山田秀吉が5代目を継承し、この頃より「玉鑯(てつ)の秀さん」を意味する「玉ひで」という通り名がひろがったそうです。そして、その通り名が現在は屋号となっています。

玉ひで (江戸の老舗の味)_c0187004_23254627.jpg 「玉ひで」さんは戦争で営業を中止せざるをえない時期もあったそうです。
 しかし、昭和24年には、仮店舗で営業再開し、昭和31年に現在の地で本店舗として営業開始したんだそうです。
 そして、現在は親子丼発祥の店のため、その親子丼を食べる行列のできるお店として有名になりました。午前の営業は11時30分からですが、11時に行っても行列ができています。
 ホームページにはテーブル席と書いてありますが、店内は踏み込みになっているので、写真の通り和風の雰囲気です。

玉ひで (江戸の老舗の味)_c0187004_23262257.jpg 「玉ひで」さんでは「軍鶏鍋」をいただきました。「玉ひで」さんでは「軍鶏のすき焼」と言っています。
 軍鶏は、東京軍鶏で多摩の契約農家で生産されたものを使用しているとのことでした。
 また、ねぎがありますが、これは千住ねぎです。千住ねぎは江戸時代から栽培されている江戸野菜です。現在も千住で生産されていて、最上級のものを利用しているとのことでした。
 軍鶏は、鶏肉とは食感がちがい、少し歯ごたえがある感じがあり、おいしさが違います。
 東京軍鶏の半熟卵に七味もしく山椒をお好みで加えて食べてくださいとのことでしたので、両方味わってみましたが、山椒が抜群でした。

玉ひで (江戸の老舗の味)_c0187004_23264620.jpg 最後は、名物の「元祖親子丼」を食べました。
 東京軍鶏のお肉と青森県でこだわって育てた鶏の玉子による親子丼は、いつも食べている親子丼より一段とおいしいものでした。
 この親子丼は、明治25年~明治28年頃、秀吉の妻山田とくにより、軍鶏鍋の残りの割下に卵をとじる食べ方にヒントを得て考案されたものだそうです。
 これが「玉ひで」さんが親子丼の発祥の店と言われる所以です。


玉ひで (江戸の老舗の味)_c0187004_23565229.jpg 「玉ひで」さんでは、軍鶏のすき焼きは、仲居さんがすべて調理してくれます。
 前述の軍鶏の説明や千住ねぎの話はその際に教えてもらったものです。
 本日調理していただいたのは、今井あかねさんでした。
 きれいで気配りの行き届いたやさしい女性です。会話が楽しくなりました。
 今井さん、今度の日曜日4月8日の6時30分からテレビ朝日で放映される「奇跡の地球物語」で「卵」が取り上げられますが、それに出演されるそうです。

 赤印が「玉ひで」さん。水天宮(青印)もすぐそばです。
by wheatbaku | 2012-04-06 11:41 | 江戸の老舗

江戸や江戸検定について気ままに綴るブログ    (絵は広重の「隅田川水神の森真崎」)
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