人気ブログランキング | 話題のタグを見る
家光、将軍に(徳川将軍15代)
 今日は、家光の元服から将軍襲職の頃までのことを書きます。

 家光は、元和3年(1617)に西の丸へ移ります。
 家光の元服は、元和6年(1620)に行われ、竹千代から家光に改めます。
 「家光」の名乗りは崇伝の選んだものでした。
家光、将軍に(徳川将軍15代)_c0187004_1095075.jpg 当初の名乗りは「家忠」でしたが、それは公家の花山院家の祖の名乗りで差支えがあると江戸にいた武家伝奏の意見が出されたため、再度崇伝が選んだのが「家光」でした。
 家光の加冠は土井利勝が、理髪は酒井忠世が勤めたと「幕府祚胤伝」に書かれています。
 なお、弟の国松も同時期に「忠長」と名乗ることになりました。

 元和9年(1623)6月に、秀忠とともに上洛し、7月27日に伏見城で将軍宣下を受け、正二位内大臣となります。家康、秀忠、家光と3代までの将軍宣下は伏見城で行われました。
 この時、征夷大将軍の宣旨を家光に奉呈する役を高家の吉良義弥(よしみつ)が勤めています。
 吉良義弥は、吉良上野介の祖父です。
 また、元和9年(1623年)8月には摂家鷹司家から鷹司孝子が江戸へ下り、同年12月には正式に輿入れしました。(家光の妻妾については、別に書きます。)
 先日書いたように秀忠は政権移譲した後も、大御所として軍事指揮権、領知宛行権等の政治的実権を掌握し続ける二元政治でした。
 そのため、幕政は本丸年寄と西の丸年寄の合議により一元化が計られました。
 寛永3年(1626)7月には後水尾天皇の二条城行幸のために2度目の上洛を行いますが、秀忠は伊達政宗・佐竹義宣ら多くの大名を従えていたのに、家光の軍勢は、譜代、旗本中心の部隊で、数も圧倒的に少ないものでした。
 家光は二条城において後水尾天皇に拝謁し、秀忠は太政大臣、家光は左大臣および左近衛大将となりました。
 この上洛中に、お江危篤の連絡が江戸より届きます。この際に、秀忠・家光を一緒に上洛中であった忠長はすぐに江戸に向かうために京を出発しますが、家光の出発が遅れている間に、お江がなくなったとの連絡があったため、さらに出発を遅らせたと言います。
 家光が、本当に将軍として幕政を動かすことができるようになるのは、秀忠の死後です。
 その話は次回します。

 さて、昨日、駒込に行く用事がありましたが、予定より早く用事が終了したので、白山神社に行ってきました。
家光、将軍に(徳川将軍15代)_c0187004_1092367.jpg 白山神社は、平安時代の天暦2年(948)に加賀一宮の白山神社を今の本郷元町に勧請して創建されました。
 元和2年には巣鴨原(現在の小石川植物園)に遷座し、さらに明暦元年(1655)に現在地に移転したものです。
 白山神社では「文教あじさいまつり」が6月17日まで開催されていて、あじさいが見頃でした。


家光、将軍に(徳川将軍15代)_c0187004_10101577.jpg 白山神社の裏手には、富士塚があります。
 通常時期は閉鎖されていて、中に入ることができませんが、この時期だけは、富士塚に入ることができます。
 富士塚の頂上には、小さな浅間神社が祀られています。
 写真の中央に小さく写っているのが浅間神社です。
by wheatbaku | 2012-06-15 10:08 | 江戸検お題「徳川将軍15代」

江戸や江戸検定について気ままに綴るブログ    (絵は広重の「隅田川水神の森真崎」)
by 夢見る獏(バク)
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
以前の記事
2024年 10月
2024年 09月
2024年 07月
2024年 06月
2024年 05月
2024年 04月
2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
2023年 12月
2023年 11月
2023年 10月
2023年 09月
2023年 08月
2023年 07月
2023年 06月
2023年 05月
2023年 04月
2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
ブログパーツ
ブログジャンル
歴史
日々の出来事