人気ブログランキング | 話題のタグを見る
笹乃雪(江戸の老舗の味)
 先日、寛永寺の特別参拝に行ってきました。特別参拝は、今年から始めたもので、根本中堂でのお参りと徳川将軍家の墓所の参観がセットとなっています。
 その帰りに、豆富料理で名高い根岸の「笹乃雪」に寄ってきましたので、今日は「笹乃雪」をご案内します。

 笹乃雪(江戸の老舗の味)_c0187004_15312316.jpg「笹乃雪」は、JR鴬谷駅の北口改札から5分弱のところにあります。
 「笹乃雪」は初代玉屋忠兵衛が元禄4年(1691)に、寛永寺の輪王寺宮公弁法親王のお供をして、京より江戸に移り、江戸で初めて絹ごし豆富を作り根岸に豆富茶屋を開いたのが始まりだそうです。
 寛永寺の初代住職は有名な天海大僧正ですが、2代目は天海の弟子の公海がなりました。
 しかし、天海大僧正は、生前から、皇族を住職とするよう願っていて朝廷にお願いしていました。
 そして、3代住職となったのは、後水尾天皇第3皇子の守澄法親王でした。
 それ以降、代々法親王が寛永寺の住職となり、輪王寺宮と呼ばれました。
笹乃雪(江戸の老舗の味)_c0187004_15322890.jpg  輪王寺宮は、寛永寺の住職のほかに、原則として天台座主を兼務し、さらに日光山・比叡山も管理しました。
 元禄3年(1690)に寛永寺住職となったのが、第5代の公弁法親王です。公弁法親王は、111代後西天皇のお子様です。
 
 公弁法親王は、忠兵衛が作った豆富を大変好まれ「笹の上に積もりし雪の如き美しさよ」と賞賛され、「笹乃雪」と名づけました。そして、それが屋号となりました。
 玄関を上った帳場の前には、公弁法親王から拝領した看板が掲げられています。
 写真では、「笹乃雪」と書かれているのが見にくいのでが、現物をよく見ると「笹乃雪」と刻まれています。

 その「笹乃雪」は、コースの中に必ず入っていますが、単品でも注文できます。
笹乃雪(江戸の老舗の味)_c0187004_15315087.jpg お値段600円ですが、口当たりが大変なめらかで、とろけるような感じです。
 この豆富は、「笹乃雪」の店舗の地下で、当時の製法そのままに、井戸水とにがりを使用して製造しているそうです。
 井戸水も「笹乃雪」の地下80メートルからくみ上げているとのことでした。

 また、「笹乃雪」の名物は、「あんかけ豆富」です。「あんかけ豆富」は二碗が並びます。
 二碗が、「笹乃雪」流だそうです。笹乃雪のあんかけ豆富は、最初は一碗であったそうです。笹乃雪(江戸の老舗の味)_c0187004_15345530.jpg ところが、輪王寺宮様が召しあがったところ、大変気に入られ「これは大変においしい。これからは二碗ずつ持ってくるように」と言われたので、それ以来、二碗一組で出すことになったそうです。
 ちなみに、あんの上には溶き辛子が一点浮かんでいるが特徴です。この辛子があんの甘さを一層引き立てますが、どうして辛子になったのかはわからないそうです。

 「笹乃雪」には、次のような赤穂浪士の一人磯貝十郎左衛門と「笹乃雪」の娘と淡い恋のお話が残されているようです。

 大石内蔵助以下17人が預けられた細川家のお屋敷に、笹乃雪の豆富が届けられました。
 これは上野輪王寺宮公弁法親王の心遣いですが、この時届けられた豆富には、別の思いも込められていたそうです。
 それは、「笹乃雪」の娘のお静が細川家お預けの赤穂浪士の一人の磯貝十郎左衛門に心を寄せていたのだそうです。
 二人の最初の出会いは、お静が雪道で足をとられ滑りそうになったのを十郎左衛門が助けた時で、その後、十郎左衛門が俳人の宝井其角に連れられて「笹乃雪」に来たことで二人は再会を果たしました。
 その後も十郎左衛門は本当の名前も身分も明かすことなくたびたび来店したようです。
 この二人の間には、淡い恋がめばえていたのではなかろうかと伝わっているようです。

赤印が笹乃雪です。鶯谷駅の北口からだと至近距離です。
by wheatbaku | 2012-12-07 07:20 | 江戸の老舗

江戸や江戸検定について気ままに綴るブログ    (絵は広重の「隅田川水神の森真崎」)
by 夢見る獏(バク)
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
以前の記事
2026年 07月
2026年 06月
2025年 07月
2025年 06月
2025年 05月
2025年 04月
2024年 12月
2024年 11月
2024年 10月
2024年 09月
2024年 07月
2024年 06月
2024年 05月
2024年 04月
2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
2023年 12月
2023年 11月
2023年 10月
2023年 09月
2023年 08月
2023年 07月
2023年 06月
2023年 05月
2023年 04月
2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
ブログパーツ
ブログジャンル
歴史
日々の出来事