大安楽寺も小伝馬町牢屋敷跡に建立された寺院です。
大安楽寺は、真言宗のお寺で、江戸三十三観音の5番札所です。
山科俊海というお坊さんが、牢屋敷で霊を慰めるために、明治8年に創建されました。
大安楽寺のご本尊は弘法大師様で、札所ご本尊様は十一面手観世音菩薩像です
さて、大安楽寺の境内の入り口に「弁財天」がお祀りされています。
しかし、多くの人が気が付かないのではないでしょうか。
この弁財天は、江ノ島に鎮座していた三弁財天の一つだったそうです。
明治になって、廃仏毀釈の流れのなかで、廃棄されそうになったものが、縁があって大安楽寺に鎮座されるようになったようです。弁財天は、もともとは、サラスヴァティーというインドの川の神様ですが、中国経由で日本に伝わり、宗像三神の一つの市杵嶋姫命(いちきしまひめ)と同一視されることも多くなりました。
弁財天は、琵琶を抱えた女神とあらわされることが多いのですが、大安楽寺に鎮座している弁財天は8本の腕をもつことから「江戸八臂(はっぴ)弁財天」とよばれています。
八臂(はっぴ)とは8つの腕を言います。
8本の腕は、、弓、矢、刀、矛(ほこ)、斧、長杵、鉄輪、羂索(けんさく・縄)を持っています。
八臂(はっぴ)の弁財天は数少ないのではないかと思います。
その弁財天のとなりに貴重なものがありました。
弁財天の神使(しんし)は「蛇」ですが、蛇の化石と伝わっている石が置いてありました。
大安楽寺のご住職にお聞きしました。この化石は、北海道のカムイコタンで、酋長のしるしとして、歴代伝わったものだそうです。
もともとは、カムイコタンの酋長を決める際に、水の底から、この石を持ち上げた人が酋長に選ばれたという言い伝えがあるそうです。
それが、どういう事情があったのかわかりませんが、カムイコタンを離れることとなり、築地のかつお節の「和田久」の社長が手に入れて、大安楽寺に寄進していただいたのだそうです。
以前、東京新聞に取り上げられた時には、大勢の参拝客が来られたそうです。そして、霊験もあらたかで、現在もお礼に参拝される方がいらしゃるというお話でした。
今年は、巳年です。 初春から、良い年になるようにとお願いしました。
参加された皆様も、化石をなでたり、手をあわせたりして、それぞれお願いをしていました。

