迎賓館赤坂離宮は、年に一度、公開されています。
迎賓館赤坂離宮は、江戸時代には、紀州徳川家の屋敷であった場所にあります。一度は観に行きたいとおもっていた場所です。
参観は、事前申し込み制となっていますが、6月ごろ、一級2期会の極骨さんから案内をもらっていたので、申し込んでおきました。
今回も大勢の申込者がいるため、抽選になりましたが、幸運にも拝観日26日分に当選しましたので、月曜日にいってきました。
東京の元赤坂にある現在の迎賓館の建物は、東宮御所として明治42年に建設されました。
片山東熊設計の、日本で唯一のネオ・バロック様式の洋風宮殿建築です。
皇太子嘉仁親王(後の大正天皇)がこの御所を使用することはほとんどなかったようですが、嘉仁親王が天皇に即位した後は離宮として扱われることとなり、その名称も赤坂離宮と改められた。
その後、昭和天皇が皇太子の時代に、赤坂離宮は再び東宮御所として利用されました。
戦後は、国立国会図書館や東京オリンピック組織委員会などに使用されました。
その後、旧赤坂離宮を改修してこれを迎賓施設とすることになり、昭和42年に決定され、村野藤吾が改修の指揮をとり、昭和49年3月に現在の迎賓館赤坂離宮が完成しました。
迎賓館赤坂離宮は、現在は、国賓・公賓が宿泊するとともに歓迎行事や会談など様々な催しの舞台や東京サミットなどの重要な国際会議の舞台として使用されています。
平成21年に、旧東宮御所(迎賓館赤坂離宮)本館、正門、主庭噴水等が国宝に指定されました。
本館は、東西125メートル、南北89メートル、高さ23.2メートルあり、地上2階・地下1階の鉄骨補強煉瓦造りです。
外壁は、すべて茨城県産の花崗岩が使用されています。
正面玄関の屋根に兜・鎧で武装した鎧武者が一対置かれていますのが目立ちましたが、これはあたかも阿吽の仁王像のように一体は口を開け、もう一体は口を閉じているんだそうです。
入り口近くには参観順路を示した掲示板があります。
赤坂離宮内は、外観を観た後、離宮内の各部屋を巡ります。
離宮内は、彩鸞の間(さいらん の ま)、花鳥の間、中央ホール、朝日の間、羽衣の間の順に拝観しました。
その後、主庭を拝観しました。
それでは各部屋の紹介を下に書きますが、室内は撮影禁止ですので、部屋の写真は、販売されていた絵葉書を利用してあります。
彩鸞の間(さいらん の ま)
最初に拝観できる部屋は「彩鸞の間」と呼ばれています。
この部屋の名前は、東西の大きな鏡の上と、ねずみ色の大理石の暖炉の両脇に、「鸞」と呼ばれる架空の鳥をデザインした金色の浮き彫りがあることに由来しているそうです。
室内は、アンピール様式であり、金箔と石膏のレリーフで装飾されています。
そして、10枚の鏡が部屋を広く見せています。
天井は、楕円形上のアーチ状となっていて、天幕が張られてように見えます。
この部屋は、晩餐会の招待客が国・公賓に謁見したり、条約・協定の調印式や国・公賓とのインタビュー等に使用されています。広さは約140平方メートルあるそうです。
花鳥の間(かちょう の ま)
天井に描かれた36枚の油絵や欄間に張られたゴブラン織り風綴織、そして壁面の七宝に花と鳥の絵が描かれていることから「花鳥の間」と呼ばれています。、
室内はアンリー2世様式であり、腰壁は茶褐色のジオン材を板張りしており、重厚な雰囲気となっています。
広さは約300平方メートルあります。
この部屋は、主に国・公賓主催の公式晩餐会が催される大食堂であり、最大約130名の席が設けることができるそうです。
壁面には木曾産のシオジ材が利用されて、30面の七宝焼きが飾れています。
七宝焼きは、下絵は渡辺省亭が書き、濤川惣助が「無線七宝」という技術で作りあげられました。
従来の七宝は、釉薬を挿す際の色の仕切り兼図柄の輪郭線として金線や銀線を利用していました。
無線七宝というのは、釉薬を焼き付ける前の段階で、その輪郭線を取り外してしまうそうです。
そこから「無線」という名前が生まれました。
図柄の輪郭線がなくなることによって、微妙な色彩のグラデーションが生まれ、立体感のある表現や軟らかな表現を生み出すことが可能になったそうです。
現在では、この「無線七宝」の技術を継承している人は数少なっているようです。
右写真は、「尉鶲(じょうびたき)に牡丹」です。
朝日の間(あさひ の ま)
天井に「朝日を背にうけた暁の女神オーロラが左手に月桂冠を持ち馬車を走らせている姿」の絵が描かれていることから「朝日の間」と呼ばれています。
天井画は長径8.26メートル、短径5.15メートルの大きな楕円形の絵です。
室内は古典主義様式であり、壁には京都西陣の金華山織の美術織物が張られています。
広さは約180平方メートルあります。
ここで国賓・公賓の表敬訪問や首脳会談などの行事が行われます。
羽衣の間(はごろも の ま)
天井には、謡曲の「羽衣」の景趣を描いた200平方メートルの曲面画法による大壁画があります。
そのため、「羽衣の間」と呼ばれます。
ただし、日本的な「羽衣」ではなく、西洋的な「羽衣」となっています。
室内の内装は、古典主義様式で装飾されています。
部屋の中央には迎賓館の中で最も大きいシャンデリアが3つあります。
シャンデリアの重さは800キロもあります。部屋の広さは約300平方メートルあります。
この部屋は、雨天の際に歓迎式典を行ったり、在日外交団が国賓に謁見したり、晩餐会の招待客に食前酒や食後酒が供される場所として使用されます。
本館の南側には主庭と呼ばれる西洋風庭園があります。
庭園は、全面に化粧砂利が敷き詰められています。
庭園に中央には、大噴水池があり、7.8メートルの噴水施設があり、噴水した時の高さは8.5メートルになるんだそうです。
赤坂離宮に入ったら、偶然にもこの特別公開を教えてくれた極骨さんに会いました。
そこで、拝観が終わった後は、極骨さんと四谷で一杯ということになりました。
極骨さん、お蔭で滅多にみられない「赤坂離宮」をみることができました。ありがとうございました。
お酒と会話もおいしかったですよ。