仮名手本忠臣蔵」は、十一段目までありますが、全て書くと長くなるので、今日は四段目まで書きます。
「仮名手本忠臣蔵」は、いうまでもありませんが、赤穂事件を南北朝時代の暦応(りゃくおう)年間のこととし、登場人物を「太平記」の登場人物に置き換えています。
そこで、「仮名手本忠臣蔵」の主な登場人物名が赤穂事件の誰をさすかについて触れておきましょう。
足利直義 勅使
高師直 吉良上野介義央
桃井若狭之助 伊達左京亮
塩谷判官 浅野内匠頭長矩
顔世御前 浅野内匠頭の妻阿久里
大星由良之助 大石内蔵助
大星力弥 大石主税
加古川本蔵 梶川与惣兵衛
早野勘平 萱野三平
早坂平右衛門 寺坂吉右衛門
それでは、あらすじです。
大序(だいじょ) 鶴ヶ岡社頭兜改めの場
造営された鶴岡八幡宮で足利直義を執事高師直、御馳走役の桃井若狭之助と塩谷判官などが迎えます。合戦で討ち死にした新田義貞の兜を奉納するために、かつて宮中の女官であった判官の妻顔世が、兜の鑑定にあたります。顔世に横恋慕していた師直は、好機とみて文を渡し、塩谷判官の大役が首尾よくいくかどうかは顔世の返事次第としつこく口説きます。この顔世の窮地を救った若狭之助を、邪魔された師直は腹いせに罵倒します。
二段目 桃井舘の場 松切りの場
侮辱を受けた若狭之助は、師直を討つべく決意を家老の加古川本蔵に話します。
刃傷は御家断絶になることを承知しながら若狭之助は一途になります。これに対して本蔵は庭の松の枝を切り落とし実行を促します。しかし、実は蔭では、御家の危機を未然に防ぐために動きます。
三段目 足利館門前進物の場、 同 松の間刃傷の場
加古川本蔵は登城すると高師直を待ち受けて数々の進物を贈ります。それが功を奏して、師直は態度を軟化させ若狭之助に非礼を詫びます。
そこへ顔世からの文が届き、激しく拒絶された師直は逆恨みし、判官に罵詈雑言を浴びせます。堪えかねた判官はとうとう師直に斬りつけます。
ここが史実の松之廊下の刃傷事件にあたる部分です。
三段目には、早野勘平とお軽が登場する「裏門の場」がありますが、現在の歌舞伎ではほとんど上演されることがなく、「道行旅路の花聟」(歌舞伎舞踊)が、四段目の後に上演されます。
四段目 扇ヶ谷塩冶判官切腹の場 同 表門城明渡しの場
塩谷判官は切腹を命じられます。駆けつけた大星由良之助は、形見の短刀を押し頂いて復讐を決意します。
家中即刻退去の厳命に、討死か館明け渡しか、議論が尽きず紛糾するが、由良之助は判官の真意を語り、仇討ちの盟約をして館を明け渡します。
五段目から十一段目までのあらすじは明日書きます。

